黒沢六段 A級・菅井八段に逆転勝利 王将戦2次予選1回戦

[ 2022年6月30日 18:38 ]

王将戦2次予選1回戦で菅井竜也八段に勝利した黒沢怜生六段
Photo By スポニチ

 将棋の第72期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は30日、大阪市福島区の関西将棋会館で2次予選1回戦を行い、黒沢怜生六段(30)が菅井竜也八段(30)に180手で逆転勝利した。

 振り飛車党同士の対局は、後手から向かい飛車とした黒沢に対して菅井が居飛車を選択し、対抗型に。32手目□6五角と打って攻勢に入ったが、頭の丸い大駒を逆にターゲットにされ、「あの形は手放すのかなと。もう少しうまい使い方があればと思った」。苦心の中盤戦になった。

 何度もピンチに陥りながら、黒沢が粘り強い受けで窮地を脱していく。菅井の飛車、成銀、と金の包囲網を居王の位置で敷かれた99手目は、3一への自陣角で急場をしのいだ。

 再び態勢を立て直され、黒沢王が菅井の竜、銀で1筋へ追い込まれた142手目以降も、ウナギのようにヌルヌルと捕らえどころなく入王へと突き進んだ。

 そして148手目、菅井に■1七銀以下の詰めろがあった局面では、逆に□1七銀と「敵の打ちたいところへ打て」。菅井香が利く地点へ捨て駒を放ち、ついに入王を果たした。「相手の狙いが■1七銀と■1五銀。でも受けは分からなかった」。勝利を確信できたのは□2五桂と打った168手目。「(以降を)正確にやれば勝ちかなと思った」。暗中模索の果てにつかんだ勝利だった。

 菅井は同じ1992年生まれながら王位の獲得経験があり、名人挑戦権を10人で争う順位戦A級所属のトップ棋士。格上を倒して、次戦は2次予選決勝進出を懸けて同じくA級・糸谷哲郎八段(33)と対戦する。「運が向いているのかなという感じはする。次局へ向けて?内容が良くなるように調整したい」。A級連破で初の挑戦者決定リーグ入りへ、王手をかけにいく。

続きを表示

2022年6月30日のニュース