歌舞伎俳優で人間国宝の澤村田之助さん 肺炎で死去 89歳

[ 2022年6月25日 10:32 ]

 歌舞伎俳優の澤村田之助(さわむら・たのすけ、本名山中宗雄=やまなか・むねお)さんが23日午後9時46分、肺炎のため都内の病院で死去した。松竹が25日、発表した。89歳。東京都出身。

 葬儀は家族葬で執り行うという。

 澤村さんは、1941年8月歌舞伎座「伽羅先代萩」の鶴千代ぽかで四代目澤村由次郎を名乗り初舞台。64年4月歌舞伎座「神霊矢口渡」お舟、「仮名手本忠臣蔵 九段目」小浪、「頼朝の死」小周防で六代目澤村田之助を襲名。七代目尾上梅幸や六代目中村歌右衛門の薫陶を受けた女方として品格と風格のある芸をみせた。後年は、永年積み重ねた実力と芸城の広さで、二枚目立役、老け役まで幅広く演じていた。

 最後の舞台は2014年5月歌舞伎座「矢の根」曽我十郎。

 1984年から国立劇場歌舞伎俳僅研修(第8期から)の講師を務め、。96年度芸術選奨文部大臣賞。97年に紫綬褒章、01年、日本芸術院賞。02年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に各個認定された。好角家としても知られ、08年から18年まで日本相撲協会横綱審議委員会委員に就任。18年に、旭日小綬章を受章。

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