伊藤英明 自ら提案「いきなりやっちゃった」丸刈り“短髪署長”で移籍後初ドラマ

[ 2022年6月16日 05:00 ]

丸刈り姿でポーズを決める伊藤英明(撮影・会津 智海)
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 俳優の伊藤英明(46)が“丸刈り”姿を披露した。7月16日放送開始の日本テレビのドラマ「初恋の悪魔」(土曜後10・00)に警察署の署長役で登場。「夏なんで…」と笑ったが、実は自ら提案した短髪署長だった。

 2010年に放送され評判を呼んだ「Mother」でも組んだ脚本家の坂元裕二氏と水田伸生監督が新たに贈る作品は林遣都(31)と仲野太賀(28)がダブル主演するミステリアスコメディー。停職中の刑事(林)と総務課職員(仲野)が難事件を解決していく物語だ。

 伊藤は「去年から刑事役が続いていて、今回また署長役。自分の中で段階を踏むというか変化をつけたいと思い、コメディーということもあって、いきなりやっちゃったんです。丸刈りに。40代後半の等身大の自分を、無理をせず素になって見つめ直してみようという思いもありまして。部下の失態をかばうために頭を丸めたっていうことでもいいんじゃないかと水田監督に話したら、“そりゃいいね。それで行こう”と言ってもらえて」と経緯を説明した。

 「ぼくの魔法使い」(03年)など、20代から伊藤を見てきた水田監督。アイデアを採用するのはまさに信頼の裏返しで、「家族を大切にし、友を大切にし、大きな笑顔と、大きな笑い声と、ダイナミックで、繊細な芝居をする伊藤英明さんは大好きな俳優です」とコメントを寄せた。

 伊藤も、その懐の深さに感服するとともに主演の2人、林と仲野との共演が楽しみで仕方ない様子。加えて松岡茉優(27)や柄本佑(35)の若き実力派も集結。林と柄本とは共演経験はあるが、仲野と松岡は初顔合わせ。「才能あふれる4人がどう絡み合っていくのか一ドラマファンとして早く見たい」と話した。

 20年以上も所属した芸能事務所を退社。公私にわたってかわいがってくれた津川雅彦さん(18年に78歳で死去)が経営し、所属したグランパパプロダクションに今年3月に移籍した伊藤にとっては心機一転のタイミングでもある。

 「まだまだ背中も見えてきませんが、近づきたいですよね。津川さんに“どうしたら演技がうまくなりますか?”と聞いたことがあります。すると津川さんは“まずね、聞くことだね。相手の話を”とおっしゃった。聞くこと、感じること、今になって分かることもあります。真剣に向き合うことで、そういうのが見えてくるし、聞こえてくるし、響いてくる」

 若々しい伊藤も8月に47歳を迎える。「俳優として一番おもしろい年代だと思います。40代をしっかり締めて、いい50代を迎えられたらいいな」と話しながら、胸に秘めた思いを明かした。

 「1から10まであるとして、若い頃は1、3、6、7、10みたいな感じで飛ばして、なんでも分かった振りをしてやってきたことがある。今は1から10まで、どういう意味があるのかをかみしめながら見つめ直して、40代の残りの3年を大切に生きていく」

 そして「僕の持論ですが、“経験に勝るものなし”です。ふだん何を見て、何を感じているか。そうしたものが、1つの役を魅力的にするし、役に反映させられると思っています。足元を固めて、いい50代を迎えたい」と重ねた。

 国際派としても知られる伊藤は、映像を巡る環境の変化にも冷静に対応していこうとしている。「配信サービスのドラマが増えました。ヤクザものや時代劇など、プラットホームがしっかりしているから理にかなったものが出来る。個人的に海外に出ていくというよりも作品として出ていけるチャンスが出てきていると思います。だけど、日本でダメなモノは海外に出してもダメ。僕自身、日本を題材にした作品で海外に出ていければいいと思ってます」

 「海猿」シリーズや「悪の教典」などの代表作を持ち、脇に回った作品でも存在感を発揮してきた。演出家やプロデューサーとの出会いにも恵まれてきたという思いが強い。

 今回のドラマで久しぶりにお手合わせする水田監督については「俳優ファーストの人。ダメなモノはダメで、面白いモノは面白いと言ってくれる。僕たちが出したアイデアでも面白いと思ったらすぐ採用してくれる。そんな水田さんとの仕事で自分の成長も出せたら」と意気込む。

 2014年公開の映画「WOOD JOB!~神去なあなあ日常~」では木こりを演じ、毎日映画コンクールの男優助演賞を受賞。演技派としての実力をいかんなく発揮したが、矢口史靖監督も、前の仕事が終わるまで伊藤の現場入りを待ってくれた経緯がある。撮影時の秘話を初めて明かした。

 「三重県の山間部に2カ月くらいこもっての撮影でした。僕は、その前に探偵の役、明智小五郎をやっていて、途中から参加した。探偵から木こりになるために肉体作りも必要と、ブロックのステーキ肉を持ち込んで毎日食べてました。矢口監督は俳優が役に没頭している姿を見るのが好きみたいで」

 焼いた方がいいと思って日焼けサロンを探したが、携帯電話も通じないほどの山奥。簡単には見つからない。それでもあれこれ探してみたら、2時間先のショッピングモールに日焼けマシンが置いてあることが分かったという。

 「60分当ててほしいとお願いしたら、店の人が“ダメです。大やけどします”と拒否する。“じゃあ30分で”と言ったら、それもダメという。往復4時間もかけて来ている事情も話して、結局20分で妥協したんです」

 20分浴びても、うっすらと赤く焼けた程度に思えた。宿泊先に戻って眠りにつくと、夜中に今まで感じたこともないような震えが襲ってきた。季節は夏。シャワーを浴びようと思ったが、水が肌に触れた瞬間のこと。「痛くてたまらないんです。パンパンに赤く腫れていた。全身やけどしていたんです。“こりゃ、あすの撮影は出来ないなあ”と思ったら、雨が降って(撮影自体が中止に)…。矢口監督に知られずに済んだなとホッとしたが、監督は知っていたみたいで…」

 役に命を吹き込むための人知れぬ努力。そうした姿を演出家やプロデューサーはちゃんと見てくれている。

 7月16日に放送スタートが決まった「初恋の悪魔」には田中裕子(67)や安田顕(48)といったベテラン勢の共演も決まっている。若い才能あふれる俳優たちとのジョイントの他に楽しみにしているのが田中との再会だ。故市川準監督が演出し、90年代半ばに放送された「サントリーオールド」のCM以来の共演。事務所移籍など、人生の分岐点での再会に伊藤も感慨深いものを感じている。(佐藤 雅昭)

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