小泉悠氏 ロシアの侵攻に「停戦交渉が進んでいることをもって、光が見えて来たなとはまだ言えない」

[ 2022年4月3日 13:40 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 ロシアを専門とする東大専任講師の小泉悠氏が3日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演し、ロシアのウクライナ侵攻について言及した。

 ロシア軍は首都キーウ(キエフ)周辺から部隊を引き続き後退させる一方、要衝マリウポリがある東部2州全域の制圧を目指し、親ロ派部隊を支援するなど攻勢を強めている。英国防省は2日、ロシア軍が2月の侵攻直後に制圧した首都北西ホストメリ空港からも撤退したとの情報があると指摘。首都周辺を離れ、東部の作戦に力点を置く流れが一層鮮明になっている。

 司会の関口宏が「今後、どうなっていくべきか、今、何かわれわれが考える良き方向の、何かそういうものが出て来ているのかどうなのか?」と聞くと、小泉氏は「ここで話し合いで一刻も早く戦闘が止まってくれるってことがベストシナリオであるというのは間違いないと思うんですよね。きょうも議論になったように停戦交渉って戦場の現実と結びついているので、ここでロシア軍が再び南部で大攻勢に成功するということになると、なかなか停戦交渉も難しくなるんだろう」と指摘。

 そして「その意味で最近、米国とNATOがウクライナに対して重兵器の供与を決めたんですね。つまり戦車や装甲車。これまで供与してきたジャベリン対戦車ミサイルみたいなものだと、ロシア軍を止めることはできるんですけど、反攻ができないんですね。他方、今回、機甲戦力が供与されると、実際にロシアに対して撃ち返していくことが可能になるので、一つゲ-ムチェンジャーになる可能性があると思うんです」としつつ、「けれども、それに対してロシアが果たしておとなしくやられるがままになるかどうか。もっとエスカーションを図る。つまりずっと心配されているように大量破壊兵器を使うのではないかと。こういうことも心配されてきますので、やはり同じ話になっちゃうんですけれども、なかなか停戦交渉が進んでいることをもって、なんとか光が見えて来たなとはまだ言えないと思っています」と自身の見解を述べた。

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2022年4月3日のニュース