藤井王将「よく見たら“当たり”マークが」レジェンド獲得に“ドヤ顔”ABEMAトーナメントドラフト会議

[ 2022年4月2日 21:13 ]

第5回ABEMAトーナメントでリーダーを務める(左から)糸谷八段、豊島九段、藤井王将、山崎八段
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 インターネットテレビ局「ABEMA」は2日、将棋の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」のチーム編成を決めるドラフト会議の模様を放送した。会議収録後にはチームリーダーを務めるトップ棋士14人が取材に応じ、チーム構想のウラ話を語った。(その1)

 ◆「よく見たら“当たり”マークが」藤井聡太王将チーム(森内俊之九段・藤井猛九段)

 前回大会で優勝を果たしたチーム名「最年少+1」から一転、藤井王将=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=はベテラン勢2名とチームを結成した。1巡目で森内九段を指名し、豊島将之九段、糸谷哲郎八段と競合に。「半分あきらめていたんですけど、よく見たら“当たり”マークが(笑い)。幸運にも引き当てることができて良かった」と“ドヤ顔”で喜んだ。2巡目には藤井猛九段を指名。公式戦で自身が負け越している深浦康市九段の指名も考えたというが、「名簿を見ていたら藤井九段に目が行って。同じ藤井姓の先輩ということで一緒に戦ってみたいなと思いました」とファン期待の“W藤井”を実現させた。

 永世名人資格保持者の森内九段、竜王3期の藤井猛九段と、平成の世をタイトルホルダーとして駆け抜けたトップ棋士を招へい。自身も王将を含む5つの冠を抱えて戦いの日々に身を置くだけに、2人の経験値には特別な思いを抱く。「あまり接点はなかったのですが、一緒のチームでその姿を見て自分自身いろいろ勉強になるところがあるかなと思っています。実績のある大先輩なので私が一番緊張してしまうかもしれないですが、お二人に引っ張ってもらって楽しくできればいいなと思っています」。個人戦、団体戦を含めた大会5連覇に向け、ベテラン勢とのチーム結成に胸を弾ませていた。

 ◆「長く活躍されている方から吸収したい」豊島将之九段チーム(丸山忠久九段・深浦康市九段)

 2年連続でまさかの予選敗退を喫した豊島九段は、藤井王将同様にベテラン勢で布陣を固めた。1巡目指名ではクジ引きの妙で森内九段、郷田真隆九段を連続で外すハプニングもあったが、「結果的に指名したい人を指名できた」と満足気な表情を見せた。自軍メンバーを「角換わりのスペシャリストの丸山九段と、気合と情熱があって終盤戦の戦い方がすごく上手い深浦九段」と分析。「感想戦くらいしか話したことがない」と言うが、「丸山先生は明るくて気さくな先生という印象。将棋のことも話してみたいですし、食事のこととかも聞いてみたい」と大食漢で知られる先輩に興味深々の様子。また、“藤井キラー”の異名を持つ深浦九段については「そういうことではなく、長く活躍されている方から吸収したい」と指名理由を説明した。

 ◆「今回のメンバーも許容度バッチリ」糸谷八段チーム(黒沢怜生六段・西田拓也五段)

 1巡目は「被せに行こうと思っていた」と森内九段獲りを目指した糸谷八段。しかし“当たり”カードは藤井王将の元へ。すぐにチーム構成を若手有望株にシフトチェンジし、「さわやかな人格者の黒沢さんに、フィッシャー未経験ながら実力充分の西田さん」を獲得した。前回大会ではチーム結成後に、団結力を高めるべくまさかのバンジージャンプ挑戦でファンの度肝を抜いた。「今回のメンバーも許容度バッチリだと思うので、面白い話があれば」と不敵な笑みを浮かべた。「目標は決勝進出。予選は結構突破できていますし上に進めるように、ですね」と大志を掲げた。

 ◆「3人の中で誰か輝く人が出たら」山崎隆之八段(松尾歩八段・阿久津主税八段)

 初のドラフト会議を終えた山崎八段はどこか表情が暗い。「テレビで見ていたのとは違って静かで動きがなくて、どうしたらいいのかわからなかったです。糸谷さんに誰を選ぶか聞いても教えてもらえなかったし…」と疲れをにじませた。それでも“元・王子”と“セクシー”の異名を持つ3人という、きらびやかなチームを完成させた。しかし、「正直3人とも元気がない…。“王子”に“セクシー”?みんなオジサンなので(笑い)。逆に元気がないもの同士を集めたらプラスになるんじゃないかなと思って…」と予想外の選出理由を明かした。「だからこそ予選突破したらすごく嬉しいんじゃないかなと思います。3人の中で誰か輝く人が出たらチームとして成功」。輝きを取り戻すべく走り出したアラフォーチームは注目必至だ。


 <第5回ABEMAトーナメント>3人1組の団体戦。リーダー棋士が自軍メンバー2人を指名した14チームと、エントリートーナメントを勝ち上がった棋士3名で結成された1チームの合計15チームが優勝を目指して戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。予選、本戦ともに5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。各リーグ上位2チームの計10チームが本戦に進出する。優勝賞金1000万円。

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2022年4月2日のニュース