コンビ推理作家「岡嶋二人」徳山諄一さん死去 元相棒・井上夢人が報告 「99%の誘拐」など 89年解散

[ 2021年11月14日 14:32 ]

 「99%の誘拐」「クラインの壺」などで知られるコンビ推理作家「岡嶋二人」の徳山諄一(とくやま・じゅんいち)さんが今月8日、病気のため東京都内の自宅で死去した。78歳。東京都出身。葬儀・告別式は親族で行った。元相棒の井上夢人氏が14日、自身のツイッターで報告した。

 井上は「ちょっと迷いましたが、僕がお報せすべきことと思い、ここに記します。1週間ほどになりますが、11月8日、岡嶋二人の片割れ徳山諄一(田奈純一)が他界いたしました。78歳でした。これはドラマ『珊瑚色ラプソディ』の原作者カットから抜き出したものです。相棒45歳の頃です」と2ショット写真を掲載。「元相棒について、たくさんの方たちからお悔やみや無念の言葉をいただきました。感謝いたします。これだけの方たちが声をかけてくれてるよ徳さん、と言ってあげたいです」とつづった。

 「岡嶋二人」は井上泉と徳山さんによるコンビのペンネーム。由来は米劇作家ニール・サイモンの「おかしな二人」。1982年、「焦茶色のパステル」が第28回江戸川乱歩賞に輝き、デビュー。88年の「99%の誘拐」が翌年の第10回吉川英治文学新人賞。89年、「クラインの壺」刊行を最後に、コンビを解消。井上は92年、「井上夢人」としてソロデビューし、徳山さんも田奈純一名義で日本テレビ「マジカル頭脳パワー!!」の推理ドラマに参加するなどしていた。

 85年、「チョコレートゲーム」は第39回日本推理作家協会賞長編賞。2005年には「99%の誘拐」が「この文庫本がすごい!」1位に輝いた。誘拐をテーマにした作品は高く評価され「人さらいの岡嶋」「誘拐の岡嶋」と呼ばれることもある。

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2021年11月14日のニュース