占い師・細木数子さん死去、83歳 「六星占術」で人気 大物にも臆せずズバリ

[ 2021年11月11日 05:30 ]

細木数子さん(2004年12月撮影)
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 2000年代に多数のテレビ番組に出演し「視聴率の女王」と呼ばれた占い師の細木数子(ほそき・かずこ)さんが8日、呼吸不全のため都内の自宅で死去した。83歳。東京都出身。告別式は近親者、関係者のみで行う。お別れ会は14日午後6時から東京都港区南青山2の26の38、梅窓院で。喪主は娘かおりさん。芸能界、政界の大物にも歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで「ご意見番」として人気を集めた。

 「地獄に落ちるわよ!」。貫禄ある容姿から放たれる過激な言葉で、お茶の間をくぎ付けにしたカリスマがこの世を去った。
 関係者によると細木さんは7日夜、自宅で発熱。39度近くまで上がったため医師が往診し抗生剤を投与したが、一夜明けた午前7時ごろ息を引き取った。

 かおりさんは10日、自身のインスタグラムで「数日前にはウナギが食べたいと言って、おいしそうに食べていたのに」と、突然の死だったことを明かしていた。この日、都内の事務所で取材に対応。最後の言葉は「つらくない?」との問いかけに応えた「大丈夫」という言葉だったとし「ここ数年、何度か軽い肺炎を起こしていたが乗り越えてきた。今回も大丈夫だと思っていた。まさか亡くなるなんて」と言葉を詰まらせた。

 家族全員でみとったといい「昔から死ぬときは家の布団がいいと言っていた。孫もひ孫も(家族)みんなに見守られながらということでよかったと思います」とハンカチで涙を拭いながら語った。

 細木さんは1980年代、中国の易学を学び編み出した「六星占術」に関する著書を出版し人気に。00年代に本格的にテレビ進出すると、特番が軒並み高視聴率を記録。04年にTBSで初のレギュラー番組「ズバリ言うわよ!」開始後は各局が特番で起用し20~30%台を連発。「視聴率の女王」と呼ばれた。

 人気の秘けつは大物にも臆しない毒舌。和田アキ子(71)に「(新曲は)あんまり売れない」と断言したり、“政界の暴れん坊”と言われた「ハマコー」こと故浜田幸一氏と収録でバトルを繰り広げたこともあった。

 08年には突如全ての番組を降板してセミリタイア。かおりさんはその理由を「しっかり食事を取りたい人で、ずっとロケ弁ということが体にもよくないし、本業でもないので、もういいんじゃないかということでした」と話した。

 テレビで姿を見なくなって以降も多くの会員を抱えた有料サイトの絶大な人気に支えられた。生活は都内と京都府内を行き来して過ごしていた。かおりさんによると、大病をすることもなかったという。16年に妹の長女だったかおりさんと養子縁組。19年にかおりさんが著書「あなたが幸せになれない理由」を発売するなど独り立ちし、後継者となって以降は事実上、引退していた。
 強い女性との印象があるが、かおりさんは「特に引退してからは優しいおばあちゃんであり、お母さんだった。ひ孫と笑顔で遊ぶ姿は、あの頃とはまるで違う優しい表情でした」と、安らかな晩年を明かした。 

 細木 数子(ほそき・かずこ)1938年(昭13)4月4日生まれ、東京都出身。8人きょうだいの四女として生まれ、17歳で水商売の世界に入る。銀座のクラブ経営などを経て、占術家に転身。著書は「六星占術 宿命大殺界」など多数。占術に関する出版物の発行部数は4300万部を超え、“占い本世界一”としてギネスブックに掲載されている。

 ▽六星占術 4000年以上も前から中国に伝わる統計学がルーツで、さらに万象学、算命学、易学などを研究し、細木さんが独自に編み出した占術。生年月日さえ分かれば、ひとりの人間の運命は、生まれてから死ぬまで、日ごとに予知できるとされている。生年月日や生まれ年の干支(えと)によって、土星、金星、火星、天王星、木星、水星のいずれか6つの運命星に分類され、それをもとに占いが行われる。

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