「TOKYO MER」アクション映画のスピード感!番組P明かす大掛かりロケの裏側 鈴木亮平の魅力全開

[ 2021年7月11日 09:00 ]

日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」第1話。ガス爆発、建物崩落の事故現場で前代未聞のオペを行う喜多見(鈴木亮平・右)(C)TBS
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 俳優の鈴木亮平(38)が主演を務めるTBS日曜劇場「TOKYO MER(エムイーアール)~走る緊急救命室~」(日曜後9・00)は初回(7月4日)、冒頭15分&ラスト10分のスピード感とスケール感あふれる映像、鈴木のスーパーヒーローぶりが話題。「#TOKYO MER」がツイッターの世界トレンド1位に輝く反響となった。大映テレビの渡辺良介プロデューサーに撮影の舞台裏、鈴木の起用理由や魅力を聞いた。

 鈴木が同局の看板枠・日曜劇場初主演を務め、「僕のヤバイ妻」「グランメゾン東京」などで知られる黒岩勉氏がオリジナル脚本を手掛ける医療ドラマ。コロナ下の医療従事者に勇気を与えるべく、都知事の号令により新設された救急救命のプロフェッショナルによる架空のチーム「TOKYO MER」の奮闘を描く。

 「MER」は「モバイル・エマージェンシー・ルーム」の略称。チームが使うのは最新の医療機器とオペ室を搭載した専用の大型車両「ERカー」で、監修の救命医が「本当にあったら、理想の医療ができる」と語る“動く手術室”。事故や災害の現場に駆け付け、いち早く負傷者に救命処置を施す。

 冒頭はチーム発足記念式典の最中、バス事故が発生。チーフドクター・喜多見(鈴木)らが現場に急行した。喜多見は、東京消防庁・即応対処部隊隊長・千住(要潤)の制止を振り切り、横転したバスの中へ。傷病者の状態に応じ、治療の優先順位を決める「トリアージ」を素早く判断。次々に負傷者を運び出し、ERカー内でオペを行う。

 極め付きは、バスと衝突し、意識を失っているトラック運転手の救出に8分かかるとなると、運転席で緊急オペ。万事休すと思われたところで厚生労働省の官僚と医師を兼ねる音羽(賀来)が現れ、最初の現場は死者ゼロ――。

 制作発表の際、鈴木が「とにかく初回、最初の15分を見ていただければ、目が離せなくなります。僕たちの伝えたい思い、本気が分かっていただけると思います」と力強くアピールしたように、圧倒的なスピード感。SNS上には「初っ端からつかまれた」「特撮感がたまらない」「臨場感に緊張感、半端ない」などの声が上がり、視聴者をクギづけにした。

 そして、ラストは「MER」に難色を示している厚労省など関係機関による重要な審査会が開かれる直前、工場解体作業中に崩落事故が発生。喜多見は審査会出席をやめ、臨床工学技士・救命士の徳丸(佐野勇斗)だけを引き連れ、現場に急行した。ガス爆発に伴い、崩落事故は大規模なものに。残りのメンバーも駆け付け、喜多見と音羽は危険を顧みず、最後に建物内に取り残されたレスキュー隊員・根津(奥野瑛太)を救った。

 渡辺プロデューサーは「バス事故シーンの撮影は、約4日を要しました。(事故現場そのもののシーンは)オンエア上は5分ほどですので、本来は2日以内では撮影したいところですが(笑)、壊したバスを横転させ、トラック事故も再現し、と美術面の仕掛けも大掛かりなのもありますが、今回のドラマはMERメンバーの医療スタッフだけでなく、千住率いるレスキュー隊の活躍も描いています。医療指導、レスキュー指導、警察指導など様々な専門家のご指導を受けながら、リアリティーにこだわって撮影を行っていますので、どうしても時間がかかってしまいます。撮影の前には入念な医療リハを2日ほど行っていますので、冒頭のバス事故シーンの撮影には1週間ほどかけたことになりすね。工場爆発シーンも3日ほどかかっています。工場は爆破など特殊効果もありましたので、安全を確保しつつの撮影になって時間を要しました」とスケールの大きいロケの苦労を打ち明けた。

 今作は「救出シーンの緊迫感を意識しています。台詞を言うために立ち止まったり、命に瀕した患者を前に悠長に会話していたりできませんので、リアルな動きの中で演技を行うという難題に俳優たちに挑戦してもらっています。医療面の手順や所作をこなしながら、芝居もするというのはとても難しいことなのですが、キャストたちは苦労をしながら挑んでくださっています。1週間かけた撮影でもオンエアを見たら一瞬なので、スタッフは複雑な思いのようですが(笑)、ただ、このスピード感がこのドラマの特色だと思っています」と強調。迅速さが必要な救急救命の現場を生々しく映し出そうとすれば、自然と息つく暇もないシーンの連続となった。

 昨年1月期「テセウスの船」(チーフ演出・石井康晴監督)、昨年7月期「半沢直樹」(チーフ演出・福澤克雄監督)、今年1月期「天国と地獄~サイコな2人~」(チーフ演出・平川雄一朗監督)と立て続けに大ヒットした日曜劇場の演出を手掛けた松木彩監督が、今回はチーフ演出を担当。

 渡辺プロデューサーは「松木監督は医療ドラマではなく、アクション映画だと考えて演出をしているようです」と明かし「なので、それだけ時間をかけて撮影しても、編集はスピード感をとても大事にしていて、画(絵)に緊迫感が生まれているのだと思います。今後も毎話大掛かりな設定が次々とあり、スタッフからは悲鳴が上がっています(笑)。大変な撮影ですが、テレビドラマを盛り上げるためにも、みんなで汗を流したいと思います」と意気込んだ。

 鈴木の専門用語のセリフ回しや的確な指示出し、オペシーンの手際の良さは共演者も絶賛。まさにスーパーヒーローぶりを体現した。

 渡辺プロデューサーは「今回の企画はオリジナルで、脚本家の黒岩勉さんと何度も議論を重ねて決定しました。コロナ禍という世相を踏まえ、医療従事者の皆さんの勇姿をニュースなどで拝見し、医療従事者の活躍を描くストレートな医療ドラマを作りたいとの思いから企画に至りました。主人公の設定を考えていく上で、喜多見というキャラクターが飄々としていながらも、やる時は誰よりも頼れる存在のリーダーという役柄と決まると、すぐに鈴木亮平さんの顔が浮かびました。(渡辺氏が手掛けた)『テセウスの船』にもご出演いただきましたが、彼の素の人柄が喜多見とピタリと重なったからです」と即決。

 「鈴木さんは、そこにいるだけで安心感を感じられ、キャストやスタッフからの信頼感は抜群。まさに喜多見そのものだな、と。もちろん、その裏には役作りに対してストイックに追求し、陰で努力を重ねているのも分かっています。今回も誰よりも手術に関して理解しようと監修の医師に質問を重ね、医学生が読むような医学書を撮影の合間で読み、縫合の際の結索(糸を結ぶ)などオペの手技の追求にも余念がありません。みるみるうちに上達し、本来は本物の医師が代役で行うような難しいオペの手捌きも、ご自分で挑戦なさっています。ですが、鈴木さんは、そんな努力や苦労を一つも感じさせることなく、現場ではさもナチュラルにサラッと難題をクリアしてしまうという素敵な人間です。喜多見というリーダーは、鈴木亮平さん以外には考えられませんでした。ドラマは作り物ですが、その中の人物は実際に生きているという考えの下、役を生きる上でリアリティーを追求する姿勢は我々制作者も頭が下がります」と全幅の信頼を置いている。

 11日の第2話は15分拡大。夏祭りで爆発事故が発生。研修医の比奈(中条あやみ)は1人による重大オペを任される。

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