冨田誠也四段 久保九段の扇子「精神力」で決勝進出 豊島竜王戦まであと1勝

[ 2021年6月5日 16:11 ]

新四段早指しトーナメントの1回戦で井田明宏四段(左)に勝利した冨田誠也四段
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 4月に四段昇段した冨田誠也四段(25)が5日、大阪・MBSでオンライン開催された「関西将棋フェスティバルinMBS」に出演し、新四段早指しトーナメントの1回戦を突破した。13日実施の決勝戦で同じく1回戦突破した古賀悠聖四段(20)に勝てば同日、豊島将之竜王(31)=叡王との2冠=との記念対局に臨む権利を得る。

 同じ小林健二九段門下の弟弟子・井田明宏四段(24)との1回戦。振り飛車党の冨田は勝負の分かれ目となった着手の間際、持参した扇子の文字に視線を落とした。

 「精神力」。尊敬する振り飛車党の第一人者・久保利明九段(45)が10年以上前、王将と棋王の2冠だった当時に作った扇子を長年愛用する。昨年9月、14勝4敗での四段昇段を決めた三段リーグ最終局でも使った、思い出の品。

 「扇子を見て、久保先生ならどう指すか考えた。苦しい局面では見るようにしてます」。13日の決勝で勝てば、同じ関西本部に所属する豊島と非公式戦とはいえ、記念対局で盤を挟める。「練習将棋でも教わったことはない。公式戦だとなかなか当たる機会がないので」。タイトルホルダーの豊島は予選免除になる棋戦もあり、同じ関西所属同士でも対局できるチャンスが少なかった。

 中継での自己紹介では「好きな棋士は久保先生、菅井(竜也)先生。でも自分は捌く将棋ではない。大山(康晴)先生や森安(秀光)先生のような打たれ強い棋風なので、粘り強い将棋を指したい」と語った。13日も、その「精神力」で2勝を目指す。

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