菅田将暉主演の月9も漫画原作ドラマ 増え続ける理由とは

[ 2021年6月4日 15:30 ]

俳優の菅田将暉
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 フジテレビで来年1月期の月9作として、菅田将暉(28)主演の「ミステリと言う勿(なか)れ」が発表され、大きな反響を呼んでいる。人気同名漫画が原作のミステリー。菅田は主人公の特徴的なアフロヘアを地毛で“完コピ”して臨むことが原作ファンの注目を集めた。

 フジの月9では近年「監察医 朝顔」や「ラジエーションハウス」など、恋愛モノの漫画原作がヒット。月9だけでなく、他局のドラマ、映画でも漫画原作の作品の割合は急増中だ。「ここ数年で漫画原作はますます増加の一途」と芸能事務所関係者は語る。

 その理由として、まず挙げられるのは漫画自体のコンテンツとしての質の高さだ。映画関係者は「世界に誇れる文化が漫画という日本ゆえにクオリティーが素晴らしい。練られたストーリーはもちろんのこと、ドラマや映画で深みを出す登場人物のキャラ立てがものすごくしっかりしている。その上、もともとビジュアル化してあるので、映像化するにあたりイメージがわきやすい」と話す。

 また、電子書籍の急速な普及を挙げる関係者も多い。ドラマ関係者は「常に映像化できる企画を探していて、原作にできそうな小説や漫画を昔から読んでいる。そんな中で電子書籍でさらに気軽に読めるのと、幅広い世代が漫画を目にする機会が増え、ヒットのすそ野が広がっていることも、漫画原作の増加を後押ししている」と語る。

 SNSの広がりも幅広く原作を探せる土壌を作っている。出版社社員によると、熱いファンが書き込むことで、これまではなかなか知られなかったかもしれない作品まで多くの人の目に触れる機会が増えてきた。出版関係者は「身近な人間模様や、ペットと人間の交流を描くような作品にまで映像化の話が来るようになり、驚くことも増えている」と変化を口にする。

 原作の漫画にはすでにファンがいるため、映像の出演者についていつもさまざまな声が上がる。「ミステリと言う勿(なか)れ」についても、アフロの主人公のビジュアルから「渡部豪太で実写化できる」「原作は渡部豪太に似ている」などの書き込みが多く、本来は作品に関係のない「渡部豪太」がツイッターのトレンド入りするなどのもり上がりを見せた。テレビ局関係者は「こうしてSNSで意見を述べ合うことで来年1月にこのドラマがスタートするということが周知される。いろいろな側面があって漫画原作は視聴者の心をとらえる」と話す。

 星野源(40)と新垣結衣(32)が契約結婚する男女を演じたTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」も漫画原作。こちらは私生活でも電撃結婚に至る文字通りのハマリ役となり、原作ファンもドラマファンも喜ばせた。「ここでも幅広い層に漫画原作のドラマが支持されることが証明された」(民放プロデューサー)。

 今後ますます漫画原作のドラマが増え、内容、見せ方ともに進化を続けそうだ。

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2021年6月4日のニュース