「金曜ロードショー」9年ぶりタイトル回帰のワケ「初心忘れず」ハッシュタグ一本化の“SNS対策”も

[ 2021年4月2日 07:00 ]

番組タイトルが「金曜ロードSHOW!」から9年ぶりに「金曜ロードショー」に変更。最新4代目の番組ロゴ(上)と3代目の番組ロゴ(C)日本テレビ
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 “金ロー”こと1985年10月から35年以上続く日本テレビの看板映画枠の番組名が2日、「金曜ロードSHOW!」から9年ぶりに「金曜ロードショー」(金曜後9・00)に戻る。記念すべき“原点回帰”初回は、宮崎駿監督(80)の長編アニメ「ハウルの動く城」(2004年公開)をノーカット放送。同局の北條伸樹プロデューサーに「タイトル回帰」の狙いを聞いた。

 番組名は初回の85年10月4日から2012年3月30日まで「金曜ロードショー」。12年4月6日から「金曜ロードSHOW!」に変更され、今年3月26日まで使われた。

 北條プロデューサーは「12年当時、映画以外にも良質なドラマやバラエティーなど『様々なエンターテインメント作品をお送りする枠を目指そう』ということで、番組タイトルが『金曜ロードショー』から『金曜ロードSHOW!』に変更となりました」と当時の経緯を説明。

 例えば、ドラマだと「帰ってきた家売るオンナ」「ぼくらの勇気 未満都市2017」が17年に、バラエティーだと「全国好きな嫌いなアナウンサー大賞」が17~19年、「最強の頭脳 日本一決定戦!頭脳王」が18~21年に放送された。

 「ただ、この2年くらいはドラマやバラエティーの本数がグッと減り、より映画コンシャスな枠に回帰していました。その状況を踏まえ『原点回帰』『初心を忘れず』という思いを込めて『金曜ロードショー』へのタイトル変更となりました。最新のロゴ(4代目)が初代のロゴをモチーフにしているのも、その思いが込められているからです」と理由を明かした。

 新しくなった番組ロゴは「35年前、番組スタート時の初心を忘れず」という気持ちを込め、初代ロゴをモチーフに令和バージョンにアップデート。「ド」の部分の目玉には「さまざまな名作、大ヒットした話題作など、皆さまに注目していただけるような作品をお送りしていきたい」という思いが詰まっている。

 また、タイトル回帰は“SNS対策”も狙いの1つだった。「『金曜ロードショー』のタイトルの方がいまだになじみ深かった方も多かったため、番組がSNS上で話題となる際、『金曜ロードSHOW!』と『金曜ロードショー』のハッシュタグが併存する状況が続いていました。昨今はテレビ番組をリアルタイム視聴しながらSNSなどで視聴者同士が盛り上がるというように、テレビの視聴形態も変化しつつあります。タイトルを『金曜ロードショー』に戻すことで、ハッシュタグも『金曜ロードショー』に一本化されれば、より多くの方が一緒に盛り上がり、より大きなバズを生みやすくなると考えています」。インターネット上の話題を呼ぶことが視聴動機にもつながる。

 昨年8月の「となりのトトロ」は実に17回目の放送ながら、16・5%の高視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯)。ジブリ映画は根強い人気を誇るキラーコンテンツとなっている。近年は「天空の城ラピュタ」の滅びの言葉「バルス」がSNS上を埋め尽くす現象「バルス祭り」もおなじみだ。

 北條プロデューサーは「今は配信などで好きな時間に好きな映画を見ることができますが、『新たな映画との出会いがある』『同じ時間に全国で同じ思いを共有できる』のは、地上波の『金曜ロードショー』ならではです。今後とも金曜夜9時の『金曜ロードショー』を何卒よろしくお願いいたします」と視聴者にメッセージを送った。

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2021年4月2日のニュース