子役・岩崎愛子 大河「青天を衝け」でデビュー

[ 2021年2月21日 09:45 ]

NHK大河ドラマ「青天を衝け」で尾高千代の少女時代を演じる岩崎愛子(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK大河ドラマには多彩な才能が集まる。人気俳優、超ベテラン、普段はテレビに出ない大物、売り出し中の新進俳優…。子役の岩崎愛子(10)は今月14日スタートの「青天を衝け」が俳優デビュー作となった。人生初出演の作品が大河。一種のシンデレラストーリーだ。

 演じているのは、主人公の渋沢栄一のいとこで、のちに栄一の妻となる尾高千代の少女時代。初回放送では、栄一(子役の小林優仁)との場面が印象的だった。千代(岩崎)の大切な髪飾りが川に流されると、栄一は危険を顧みずに追走。千代は止めようとするが、栄一から「おれは、お千代が大事だ。お千代を幸せにしてえ」と思いを打ち明けられる。この時の千代の微妙な表情が良い。驚いたような、照れているような、うれしいような、いくつもの思いが重なっている様子がうかがえた。

 岩崎はオーディションを経て、この大河への出演が決まった。制作統括の菓子浩チーフプロデューサーはこう振り返る。「昨年5月から6月にかけて、子役のみなさんのオーディションを行いました。緊急事態宣言中は、スマホで課題演技の映像を撮って送ってもらい、最終選考は、人数を絞ってお会いして決めました。千代は、言葉の数は少ないが幼い頃から物事の本質を見ている女の子です。オーディションの印象から、岩崎さんにお願いしたいと思いました」。

 岩崎は東京都出身の小学4年生。関係者は「ミュージカル中心の劇団に所属し、ダンスをやっていましたが、お芝居は未経験でした。大河のオーディションがあったので応募させていただき、おかげさまで選んでいただきました」と話す。元々、宝塚歌劇団での活動が夢であることから、これまで歌とダンスに重点を置いていたという。

 初めての演技に不安はあったものの、岩崎は台本を読み込んで役作りに尽力。関係者は「自分は未経験だから、ほかの人たちの倍以上努力しないといけないと考えたようです。努力家で、千代の少女時代と重なる部分があります。本番前の1、2カ月、演出の方に演技指導をしていただいたおかげで、撮影現場では不安を感じずに見ていられました」と明かす。

 いずれ女優の橋本愛(25)にバトンタッチする重要な役どころ。菓子氏は岩崎の演技を見た感想を「かわいらしさの中に、意志の強さも見えて、千代にぴったりだと思いました。橋本さんが演じる大人の千代にも、うまくつながっていくと感じました」と語る。

 岩崎のみずみずしい芝居は、この大河の見どころの一つだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。 

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