今春卒業するNMB48山本彩加インタビュー 芸能界から過酷な医療の現場に飛び込む覚悟とは

[ 2021年2月21日 05:30 ]

今春NMB48を卒業する山本彩加
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 NMB48の山本彩加(18)は今春、グループを卒業し、看護の道を目指す。華やかな芸能界を離れ、コロナ禍で過酷を極める医療現場に飛び込むと決断した背景には、身近な人々の存在があった。このほど、大阪市内でスポニチ本紙の取材に応じ、卒業や将来へのピュアで揺るぎない思いを語った。

 2016年のNMB加入時、絶対エースだった“さや姉”こと山本彩(27)と「一字違い」の新人として話題を呼んだ。かれんなルックスと、小学時代に兵庫県大会で優勝した空手仕込みの負けず嫌いで、すぐに頭角を現した。NMBやAKB48で選抜入り、ミスセブンティーンでグランプリを受賞しモデル活動も。18年のさや姉卒業後、グループを担う主力の1人に成長した。

 在籍5年弱、18歳での卒業と、芸能界を引退して看護の道に進むと発表したのは昨年末の公演中。「寂しい」と自身を求める声が殺到し、「NMBの中で自分の立ち位置がちゃんとあったと再認識できた気がして救われた思いでした」。

 卒業までわずか。NMBの単独センター、モデルとして雑誌の表紙を飾るなど、やり残した夢はあるが悔いはない。母と9歳上の姉が看護師で、幼い頃から身近な職種。小学時代に医療ドラマ「コウノドリ」を見て助産師にあこがれた。アイドルとは別に長年抱いたもう一つの夢だ。昨年看護学校を受験し、合格した9月に学業専念を決めた。「看護師からさらに助産師を目指すかは学びながら決めたい」と話す。

 目指すのは「患者さんに寄り添う看護」。NMB研修生としてお披露目された16年6月28日の前日に亡くなった祖父の姿が浮かぶ。「持病を抱えながら医師や看護師に気持ちを言えず、気づかれずに悪化…そんな祖父を見てて、寄り添い聞いてあげられる人になりたいと思ったんです」

 今後生きてきそうなのがアイドル経験だ。NMB加入前は「コミュニケーション能力が低くて、人前でしゃべるのも苦手」だった少女が、「握手会などで多くの方と接しコミュ力が付いた。患者さんとの意思疎通は凄く大事。私の武器になる」と自信がついた。

 コロナ禍で激務が続く医療現場。「大阪府内でコロナ対応をする姉を見て本当に大変だと思う」という。「恐怖や不安を抱えながらも人のために働く医療従事者はかっこいいし、私も勉強して早く手助けする1人になれたらと強く思います」と頼もしく語った。

 公演中、キュートな笑顔のすきまに体育会系の熱血ぶりと真面目さがのぞく。自身の決断を語る口調は高校生と思えぬほどしっかりしていてブレがない。そこに迷いやおびえはなく、山本らしい純粋で真っすぐな未来への期待と責任感がにじんでいた。

 <3月3日に卒業コンサート>
 山本の最終活動日などは未定だが、3月3日に大阪・オリックス劇場での卒業コンサートが決まっている。コロナ下での公演はファンとの掛け合いや声援がなく「めちゃくちゃ寂しい」と嘆くが、「卒コンでは、事前にファンの声を録音して使えたら…とかいろいろ考えてます。今しかできないやり方で楽しみたい」と意気込む。「アイドルとして卒業の舞台を用意してもらえるのは光栄。今までの私を凝縮したライブにしたいです」。同日、卒業メモリアルブック「最後の一色」(光文社)も発売される。

 ◆山本 彩加(やまもと・あやか)2002年(平14)8月6日、兵庫県出身。愛称は「あーやん」。16年にNMB48第5期オーディションに合格し、同6月に研修生としてお披露目。同10月にチームNに昇格し、同12月28日発売のシングル「僕以外の誰か」で選抜入り。18年8月、「ミスセブンティーン」グランプリ受賞。阪神ファンでも知られる。1メートル60、血液型A。

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