BPO “サクラ”発覚のフジ「99人の壁」に放送倫理違反「多くの視聴者との約束を裏切るもの」

[ 2021年1月18日 16:09 ]

フジテレビ社屋
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 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は18日、フジテレビ「超逆境クイズバトル!!99人の壁」で解答権のないエキストラを番組に参加させていた問題で、「放送倫理違反があった」との見解を示した。

 同番組は、1人のチャレンジャーが99人の解答者に阻まれながら全問正解を目指すクイズ番組。出場者の人数が満たなかった際、解答権のないエキストラを番組に参加させていたことが、昨年2月中旬にエキストラの一人がBPOに連絡したことで判明。同4月に番組側の公式サイトで事実を認め、謝罪。同5月18日に放送倫理検証委員会で審議入りが明らかになった。

 3回の特番を経て2018年10月20日からレギュラー放送がスタート。レギュラー化されてから19年10月26日放送分までの25回について、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りしていた。

 委員会は「本件番組が解答権のないエキストラを出場させていたことは、番組が標ぼうしている番組の『1人対99人』というコンセプトを信頼した多くの視聴者との約束を裏切るもの」と指摘。また、「放送倫理基本綱領」の「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」という規定について触れ、「制作過程の重要な部分を制作者たちが十分に共有していなかった点において、その過程が適正に保たれていなかったと言うべきである」としたうえで「本件番組には放送倫理違反があったと判断した」と見解を示した。

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