萩原さんの演技力に「世界の黒澤」とハリウッドがほれた

[ 2019年3月29日 06:40 ]

萩原健一さん死去

79年、映画「影武者」で黒澤明監督(右)から演技の指導を受ける萩原健一さん
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 俳優に転向した萩原さんは気弱な板前見習いから戦国時代の武士まで幅広い役柄を演じ、巨匠からも引っ張りだこだった。

 神代辰巳監督の「青春の蹉跌(さてつ)」では屈折した法学生を好演。黒澤明監督の「影武者」では大役の武田勝頼を任された。同作では主演だった勝新太郎さんが黒澤監督と対立し、撮影開始直前に降板。萩原さんは、勝さんに復帰するよう説得に行った。

 世界の巨匠からもオファーを受けた。「エイリアン」などのリドリー・スコット監督(81)が大阪で撮影した名作「ブラック・レイン」。松田優作さんが演じた役は当初、萩原さんに決まっていた。

 ドラマでは石原裕次郎さんと共演した「太陽にほえろ!」(日本テレビ)の刑事マカロニが鮮烈だった。自らアイデアを出し、犬死にのように殉職。同作では刑事の殉職が定番だったが、その流れをつくったのが萩原さんだった。

 倉本聰氏(84)が企画・原案の「前略おふくろ様」(同局)ではそれまでのアウトローから一変し、演技派へ脱皮した。昨年9、10月にNHKで放送された「不惑のスクラム」では、円熟味を感じさせる演技を見せた。

 話題のCMにも出演。サントリーのビール、モルツで「うまいんだな、これが」のセリフを流行させた。

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2019年3月29日のニュース