さや姉 最後の挑戦はメンバーに“魂”吹き込むこと NMB卒業前に独占告白

[ 2018年9月18日 10:00 ]

レインボーローズを手に笑顔の山本彩(撮影・沢田 明徳)
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 7月30日にグループ卒業を発表したNMB48の山本彩(25)が、10月27日の卒業コンサートを前に心境をスポニチ本紙に独占告白した。「卒業したらイヤでも自分のことしか考えられなくなる。その前にできるだけメンバーのことを考えたかった」と研究生公演のプロデュースに挑戦。グループの成長を願い、今月26日に大阪・難波の専用劇場で初日を迎えるステージに「自分の魂」を吹き込んだ。

 卒業発表後もグループの全国ツアーやメディア出演など多忙な日々に変わりはない。だが実感は出てきた。「メンバーといる時間を凄く大切にするようになりました」。卒業までに「自前のカメラで一緒に写真を撮ってアルバムにしたい」と笑顔を見せた。

 「ソロだとイヤでも自分のことしか考えられなくなる。NMBにいるうちは自分ができることならなんでもしたい」。この思いを具現化したのがプロデュース公演だ。自らスタッフへ提案した。出演メンバーは加入から1年未満の研究生29人。その理由を「このまま関わりの少ないまま卒業するのは凄い寂しいし心残りだった。劇場でしか出せない魅力があるので若いメンバーに力をつけてほしいと思った」と明かした。

 今回の公演はメンバー選考から関わり、ストーリー性を意識して選曲、曲順を決めた。先月20日に劇場で行われた「初日メンバーオーディション」では、ひたむきに歌い踊る研究生を審査。運営幹部らとの協議を経て、十数人を選んだ。

 「選ばれる」ことは慣れていても「選ぶ」のは初めて。「めちゃくちゃ難しかった。あくまで初日(公演)の選考だったけど、出られる子と出られない子がいるのはとても苦しかった」。初日の舞台に立てなくても個性を磨いてファンの心をつかんだメンバーを何人も見てきた。研究生には「全員立てるチャンスは常にあるから奪い合ってほしい」と伝え、競争心を植え付けた。

 公演の核は「自分の魂を残す」こと。秋元康氏(60)やHKT48の指原莉乃(25)といった身近に手本はいるが「いろいろと見た時に、秋元さんっぽいとか指原さんっぽいと感じるのがプロデュースの良さだと思った。それをまねするのは“山本彩プロデュース公演”にならないので、あえて意識せず自分のひらめきを大事にしました」。グループの楽曲一覧が書かれた用紙と向き合い、仕事を終えて帰宅してからも後輩を輝かせるために思案した。時間がなく最終的に断念したものの、一時は公演のために曲を書き下ろすことも検討。とことんストイックに取り組む姿勢こそ神髄だった。

 全容は26日の幕が開けるまで公表しないことになっている。ただ、その“輪郭”について触れると「まずは私が出たいと思うような公演にしたかった。格好良くて熱量のある感じです」と自然に力がこもった。

 さらに、念頭にはグループの過去、現在、未来という時間軸も置いた。「私の骨組みができた曲だったり、これからのグループを担う子たちが歌うとメッセージ性があって、なおかつ1年後、2年後、5年後と歌ったら意味が変わって凄い特別になるんじゃないかという曲を後半に持ってきた。メンバーにもファンにも数年後に大切な公演になればうれしい」。

 プロデュース公演は専用劇場が11年1月1日にオープンして以来、初めての試み。「自分で決めたものの正解はない」と観客の評価は気になるところ。それでも「挑戦してこそ人生は豊かになる」が信条。「苦しい思いをするのって新しい挑戦をするときだと思うんです。常に進化していくために挑戦して結果を出すことで人生を豊かにしていきたい」とまっすぐな瞳で語った。

 山本には特別な花がある。虹色のバラ「レインボーローズ」で、花言葉は「無限の可能性」。卒業後のグループを案じる声は知っているが、悲観はしていない。「これからのメンバーには“自分たちが1期生だ”というぐらいの強い気持ちを持って“自分たちはこうありたい”というグループを作ってほしい。新たなメンバーには新たなファンがついてくる」。自らの魂を吹き込んだ公演が、無限の可能性を秘めた後輩たちへのバトン代わりだ。

 ◆山本 彩(やまもと・さやか)1993年(平5)7月14日生まれ、大阪府出身の25歳。2010年9月、NMB1期生オーディションに合格。16年ソロデビュー。4人きょうだいの末っ子で兄2人と姉がいる。1メートル55。血液型B。

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