忘れられないヒデキスマイル 闘病支え続けた最愛の家族

[ 2018年5月18日 10:00 ]

西城秀樹さん死去

死去した西城秀樹さん
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 15年6月、東京都世田谷区のスタジオでじっくり話す機会があった。記者が最寄り駅から20分ほど歩いて来たことを知ると、まひが残る右半身を引きずるようにソファーから立ち上がり「よく来てくれたね!大変だったでしょ」と両手を握ってくれた。その力強さに驚いたことを思い出す。

 当時は還暦バースデーライブを終えた直後で、体調も回復傾向にあった時期。とはいえ口はうまく開かず、言葉を発するのも苦労する状態だったことには変わりなく、「もう昔のようにはできない。バランスさえ、うまく取れないんだよ」とこぼす姿には若干の悲哀も感じ取れた。

 それでも、1時間半のインタビューで花の咲くような笑顔を浮かべることが多くあった。それは闘病を支え続けてくれた最愛の家族に話が及んだとき。最初に脳梗塞を発症したのは長男・慎之介さん(14)が生まれる直前。家族を養う責任から復帰を焦り、精神的に不安定になったとき、美紀夫人(45)の「私はパパが選ぶ道についていく。一緒にゆっくり治そう」という言葉が支えになったと話した。

 「今はお風呂に入るとき、長男が背中を洗ってくれたりする。調子のいいときに“パパ凄いよ”と笑ってくれるのが何ともうれしくて、普通のこと、生きることがこんなにも素晴らしいと思うようになった」。最後まで後遺症との闘いを強いられる人生となったが、その満ち足りた笑顔が頭から離れない。(音楽担当・桑原 淳)

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2018年5月18日のニュース