朝ドラ「わろてんか」で新境地 徳永えり、視聴者を飽きさせない“怪演”

[ 2018年1月21日 15:08 ]

「わろてんか」でヒロイン・てんを支える印象的な演技を披露している徳永えり
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 NHK連続テレビ小説「わろてんか」が終盤を迎え、視聴率も好調に推移している。最新の第16週(1月15〜20日)はビデオリサーチ社が既に発表している15〜18日の視聴率(関東地区)で、すべて20%の大台を超えた。10月のスタートから18〜20%を常にキープしており、朝ドラの合格ラインでもある番組全体の平均視聴率20%をクリアする可能性が高い。

 主演の葵わかな(19)が見せる太陽のような笑顔で1日を始めることが、朝ドラファンのリズムになっているようだ。

 物語は、吉本興業の創始者をモデルに、大正から昭和にかけて大阪の町でお笑い文化を根付かせたヒロイン・てんの成長を描いている。

 笑いがテーマだけに番組全体のムードは明るく、大野拓朗(29)や広瀬アリス(23)ら芸人を務める役者たちの怪演も楽しみのひとつだ。

 記者は、濱田岳(29)と徳永えり(29)のコンビに注目したい。2人が演じているのは、ヒロインを支える風太とトキの夫婦。小気味良い掛け合いで大阪の下町の雰囲気を漂わせ、視聴者を飽きさせない会話劇を展開している。

 そのライブ感あふれる掛け合いが生まれる秘密について、徳永は「濱田さんのアドリブがすごいからでしょう」と明かす。

 ただ、アドリブが生きるのも、受ける側が気の利いた返しをできないと空回りしてしまう。濱田に聞いてみると「徳永さんはどんな球を投げても拾ってくれる。やっていて楽しいんですよ」と“相方”を絶賛だ。

 これに、徳永は「投げられたボールをうまく拾えないと悔しいじゃないですか。だから、何とか2人でいい演技になるように努力しています」と話す。これまではどちらかというと、しっかり者だったり、まじめすぎる女の子の役が多かったが「こういう自由度の高い演技を濱田さんに教えてもらっている感覚です」と新境地を楽しんでいる。

 女優としての経験値はとても高い。2010年には映画「春との旅」の演技で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を獲得。朝ドラも過去に「梅ちゃん先生」(12年)「あまちゃん」(13年)と2作に出演した。それでも「今回、濱田さんとの共演を通じて、もっとフラットに演技と向かい合ってもいいのかな、と感じています」と新たなステップを上がっていることを実感している。

 今年で30歳。学生のころはとっくに結婚していると思っていた年齢だという。「でも、今はとにかく仕事が楽しいですね。だから、今のところはプライベートよりも仕事優先です」という笑顔が輝いて見えた。(記者コラム)

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2018年1月21日のニュース