今年は「35億」と「空前絶後」 文房具店の試し書きに注目!?流行語 もう一つの楽しみ方

[ 2017年11月30日 15:58 ]

サンシャイン池崎(左)とブルゾンちえみ
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 12月1日に2017年ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンと年間大賞が発表される。ノミネートされた30語は「例年に比べると小粒」などといった評価があるものの、1年を象徴する言葉が何になるのか。素直に楽しみにしたい。

 「文房具店にある試し書きの数々にはその年の流行や時事ニュースが反映される」。こう教えてくれたのは、世界を回り約4万枚の試し書きを収集した「試し書きコレクター」寺井広樹氏(37)。大賞発表に先駆け、同氏に試し書きの“流行語”を紹介してもらった。

 今年集めた約1万5000枚で、特に目にしたのが「35億」(ブルゾンちえみ)「空前絶後の」(サンシャイン池崎)の2語。特に「35億」は全国的に息長く流行しており、「年間大賞も35億になるのではないでしょうか」と予想した。都内では高田馬場や表参道など学生や流行に敏感な人が集まる地域の文房具店でよく書かれていたという。

 政界から広まった「忖度(そんたく)」もよく試し書きに使われた。「漢字で書かれていたケースが多かった。文字が筆ペンや万年筆のコーナーで書かれる傾向があり、“自分はこの字が書ける”という主張を感じた」と寺井氏。東京・丸の内など大手企業の集まるビジネス街では「“プレミアムフライデー”が一時期目立っていた」と明かした。

 「インスタ映え」する試し書きも最近は増えており「シロップがかかったホットケーキのイラストが書いてあったりした。無意識に書いているのが本来の試し書きだが、誰かに見られるために書くというのは新しい傾向」と分析した。

 「35億」に匹敵するほど流行したのは、豊田真由子前衆院議員の「このハゲ〜!」。「“ハゲ”は元々試し書きには多い言葉。でも、“この”と“〜!”がセットになっていたのは今年になってから」と説明。本家にノミネートされた「ちーがーうーだーろー!」は「あまり見かけなかった」とした。

 「笑えないニュースは試し書きに反映されづらい。最近では相撲界のスキャンダルに関する言葉は全然見ない」と指摘する寺井氏。好きな有名人の名前は好まれるといい、「安室奈美恵」は不動の人気。引退イヤーとなる来年は試し書きでもこれまで以上に目にする機会が増えそうだ。さらに来年発表される見通しの元号については「発表前から予想が書き込まれるのではないでしょうか。でも、本当に元号の予想を示したものかどうか見抜けるか悩ましい」と言いながらも、出合いを楽しみにしている様子だった。

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2017年11月30日のニュース