「直虎」浅丘ルリ子 40年ぶり大河で初“ばば様” 「神ってる」2017年の挑戦

[ 2017年4月16日 09:00 ]

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で寿桂尼を好演する浅丘ルリ子(C)NHK
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 女優の浅丘ルリ子(76)がNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(日曜後8・00)にレギュラー出演。芸歴62年にして「違う自分が出せるかもしれない」と40年ぶりの大河で今川義元の母・寿桂尼役に挑戦し、存在感を放っている。自身初となる“ばば様”との巡り合わせや、高橋一生(36)ら若手俳優への思いを語った。

 息子の義元(春風亭昇太)、軍師の雪斎(佐野史郎)とともに今川家の全盛期を築き上げた寿桂尼。桶狭間以後も孫の氏真(尾上松也)を支え、弱体化する今川家の存続に力を尽くす。「女戦国大名」の異名を持ち、直虎にとってのお手本のような存在でもある。

 乱世に立ち向かう女傑を「大変な政治家で、決して甘くはないんです。あくまでも今川家を守るために、いろんな策を練って、そのためには誰にも容赦しない。女でありながら策士。とても芯の強い頭のいい方」と評し、「もっと若かったら(大河主演で)寿桂尼さんをやりたかった」と語るほど。「まず気品、威厳。言葉はハッキリ、ゆっくり、スッキリ」を心がけ、浅丘らしさを出している。

 氏真にとっては「ばば様」。「ばば様は本当に一度もやったことがないので、“ばば様、ばば様”って呼ばれると、“なによ、私、ばばじゃないわよ!”って言いそうになるくらい」と苦笑いだが「こんな役は初めてで、演じるのはすごく楽しい」と意欲を見せる。

 「ばば様」としての務めは劇中だけではなく「今の若い方達は現代劇をやっているみたい。戦国時代はそんなナヨナヨした声なんかじゃない。お腹から声を出してと言ったことがあります。時代のことを考えて、声とか、たたずまいとかそういうものを作るべきだと私は思っています。もうちょっとプラスアルファを考えてやっていただきたい。だから余計なことかもしれませんけど、言える方には申し上げております」と若手へ厳しくも優しい視線を向ける。小野政次を演じる高橋もこの助言を受けた一人。「頭がいい子なんです。なんでもよく知ってて、すごく物知り。でもやっぱりなんか細いんですよ声も。頭でっかちはダメというようなことを一生に言いました。そしたら、第5話の放送くらいに電話がかかってきて、“ルリ子さんが言ってることがよくわかりました”って。ああよかった」と事務所の後輩でもある高橋を可愛がっている。

 大河出演は1977年の「花神」以来で、3日にスタートしたテレビ朝日のシルバー層向けの昼の連続ドラマ「やすらぎの郷」にも出演中。「若い頃は掛け持ちもたくさんしましたが、ここ40年か50年は一切していない」といい、今年は特別な1年だと話す。オファーは「やすらぎの郷」が先だったが「大河だからどうというのではなく、寿桂尼さんという人をどこかで前から聞いていたんです。この役をやるのも、もしかしたら素敵かもしれない。違う自分が出せるかもしれない」と出演を決意した。

 「ダブル(出演)なんていうことが本当に不思議。だから、もしかしたら何か(良くないことが)あるんじゃないかって。プライベートでもとてもいいことがありすぎて、なんか皆さんが寄って来てくださって、とてもいい風に私を捉えていただいて、皆さんと仲良くさせていただいているんです。同じ年代から年下の若い俳優さんたちまで」と公私共に充実しすぎて不安になったものの「体は丈夫ですから、何とか大丈夫だと思います」とタフに語る。「先日、姉の何回忌かで、お姉ちゃん、私こんなだけど大丈夫でしょうかって。なにもないように守ってくださいねってお願いしたんです」。「神ってる」のでは?との質問が飛ぶと「“神ってる”っていう言葉が(頭の)端にあるんです」と笑顔。「みんな素敵ですよ。楽しいです」と新たな挑戦を心から楽しんでいる。

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2017年4月16日のニュース