「シン・ゴジラ」賞総なめの背景「怪獣映画を作っているつもりではなかった」

[ 2017年3月15日 10:00 ]

<第40回日本アカデミー賞授賞式>「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督
Photo By スポニチ

 作品賞を間違えて発表するという前代未聞のハプニングがあった米国のアカデミー賞(日本時間2月27日)から4日後の今月3日、第40回日本アカデミー賞の授賞式が都内で行われた。

 日本アカデミー賞協会の岡田裕介会長が「どこかの国のように間違えないようにしたいと思います」と話し、会場が笑いに包まれる中、発表された最優秀作品賞は「シン・ゴジラ」。監督賞なども合わせて最多の7部門で最優秀賞を受賞した。

 特撮・怪獣作品が最優秀作品賞に選ばれるのは初めて。樋口真嗣監督(51)が受賞スピーチで開口一番、「みんな怒ってませんか?大丈夫ですか?」と会場の反応をうかがうほど、前例のない快挙。会場からは温かい拍手が送られていた。

 「シン・ゴジラ」は日本アカデミー賞だけでなく、毎日映画コンクールやブルーリボン賞など数々の映画賞を総なめにし、興行収入も80億円を超える大ヒット。その要因は、“特撮映画”や“怪獣映画”の枠を超えて、幅広く観客を楽しませたことにある。樋口監督は「自分たちが一番、怪獣映画を作っているつもりではなかった。一般の映画として作って、恋愛や犯罪と同じように事件として怪獣が現れるとなったらどう構築していくかと考えたんです」と説明。1954年の「ゴジラ」誕生以来、国内でシリーズ28作が製作されてきたが「“怪獣映画は今までこうやってるからこうしよう”ということを全部リセットした形でやりました」と振り返った。

 フルCGで描かれた史上最大の体長118・5メートルのゴジラに負けないほど、長谷川博己、石原さとみ、市川実日子らが演じたキャラクターが個々に光り、話題になったこともそれを物語る。最優秀賞は逃したが、優秀主演男優賞を受賞した長谷川や、優秀助演女優賞の石原、市川も壇上で感激の面持ちだった。(記者コラム)

続きを表示

2017年3月15日のニュース