岩埼被告に懲役17年求刑 冨田さん陳述「反省していない」厳罰求める

[ 2017年2月23日 12:35 ]

 東京都小金井市で昨年5月、音楽活動をしていた大学生の冨田真由さん(21)が刺されて一時重体となった事件で、殺人未遂罪などに問われたファンの無職岩埼友宏被告(28)の裁判員裁判公判が23日、東京地裁立川支部(阿部浩巳裁判長)で開かれ、検察側は「常軌を逸した自己中心的な犯行」として懲役17年を求刑した。判決は28日に言い渡される。

 この日は冨田さんが意見陳述した。ついたてで囲われた席で「悔しくてたまらない。(被告は)反省していないと思う。普通に過ごすはずだった毎日を返してほしい。傷のない体を返してほしい」と述べ、厳罰を求めた。陳述の途中で岩埼被告が「じゃあ殺せよ」などと大声を出し、退廷を命じられた。

 検察側は論告で「一方的に恨みを募らせた。際立って悪質。逃げることのできない被害者を一方的に刺し続けており執拗かつ残忍」と主張した。

 岩埼被告は起訴内容を認めており、主な争点は量刑。弁護側は最終弁論で「計画的であれば自ら119番はしていない」と述べ、改めて計画性を否定した。

 起訴状などによると、昨年5月21日午後5時5分ごろ、小金井市本町のライブハウスが入る建物で、出演予定だった冨田さんの首や胸をナイフで多数回刺して殺害しようとしたとされる。(共同)

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