ぐんまちゃん、和歌山「真田丸」番組出演 ネットで繋がる地方同士の異例コラボ企画

[ 2016年12月2日 10:00 ]

「見やんと!真田丸」に出演する群馬県群馬県のマスコットキャラクターぐんまちゃんと八木菜月キャスター(左)と「源じろう」こと半田雅義氏(C)NHK和歌山放送局
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 NHK有働由美子アナウンサー(47)の自虐オープニングで話題になったNHK和歌山放送局の「見やんと!真田丸」。NHKのローカル放送としてはかなり“ふっきれた”同コーナーに「ゆるキャラグランプリ」で1位に輝いたこともある群馬県のマスコットキャラクター・ぐんまちゃんが2日、特別出演することが分かった。

「ますます盛り上がる真田丸。しかし、和歌山のファンは焦っていた。展開が遅い。話をためすぎていないか、和歌山の部分が割愛されはしまいか…」

◆有働アナの“和歌山自虐”ナレが人気のローカル番組、ぐんまちゃん出演熱望

「見やんと!真田丸」はNHK和歌山放送局のニュース・情報番組「あすのWA!」(月~金曜後6・30)内で毎週金曜に放送されるトークコーナー。ご当地にも関わらず認知度が低いという和歌山の実態を逆手にとった演出や有働アナの本音語りが話題を呼んだ。

 大坂の陣、真田丸の攻防を「野球ニュース風」に解説したり、主人公・真田幸村(堺雅人、43)や後藤又兵衛(哀川翔、55)ら大坂城五人衆の関係を「学園モノのドラマ」になぞらえたり、意表を突く切り口で、和歌山県内だけでなく公式サイトでの動画公開を通じて、全国にファンを広げている。

 今回、群馬県側からの猛烈なアピールで、ぐんまちゃん出演が実現した。俳優の大泉洋(43)演じる幸村の兄、信之は群馬県内にある沼田城の城主であったことから、真田の里をPRしていたぐんまちゃんが、インターネットで同番組を見たのがきっかけだ。

◆面白いコンテンツが結びつく 地方活性化の好例に

 同コーナーを制作するNHK和歌山放送局のスタッフは当初、“大物キャラ”の出演申し出に、驚いたという。トークコーナーなのに「無口」なぐんまちゃんがどういう役割を演じるのか、テレビスタジオではなく、小さなラジオ用のブースで収録しているため、そもそも入れないのではないか。群馬から和歌山まではるばる来てもらっても、背景に「映り込むだけ」では申し訳ないとやりとりがあったが…。結局、ぐんまちゃんが「映り込むだけでも!」と押し切り出演が実現した。

 迎えた収録当日。「映り込み」どころか、ぐんまちゃんに酷な役割がふりかかる。この日、話題になったのは、直前の大河ドラマ第47話「反撃」で、ネット上でもファンが盛り上がった、小野お通(八木亜希子、51)の膝枕でくつろぐ信之のもとに、吉田羊(年齢非公表)と長野里美(55)演じる妻2人が鬼の形相で乗り込んでくる場面だった。「信之ラブ」のメッセージカードを掲げたぐんまちゃんの動きが止まり、出演者から「どうなっているの?ぐんまちゃん」と追及されることに…。

 今回のぐんまちゃん出演について和歌山放送局スタッフは「和歌山の真田丸のファンにターゲットを絞り込んだ企画だったのですが…」と思わぬ広がりに戸惑い気味。だが、インターネットによって「ローカル」と「全国」の垣根があいまいになる中、地方の面白いコンテンツ同士が結びつき、新たなコンテンツを生み出す。新たな可能性を示しているのかもしれない。

 2日の放送終了後、午後7時からNHK和歌山放送局の公式サイトで動画配信予定。

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