太るより、痩せる方がお金がかかる?糖質制限ダイエット

[ 2016年10月22日 08:15 ]

何を食べるか、悩み、考える…
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 【笠原然朗の舌先三寸】突き出た腹のぜい肉にため息が出る。体重はここ20年最重量の95キロを超えた。

 階段を昇るのも一苦労。エスカレーターやエレベーターを選んで使う。53歳。自らのカラダをもてあます。

 急激な体重増の原因は分かっている。

 運動不足と過食だ。

 往復38キロの自転車通勤を週に3、4回、行っていたのを、夏の暑さにかまけて休止。ジムでウエートトレーニングはかろうじて週1回ペースで続けているが、昼食で大盛りご飯を食べる悦びに勝てない。

 消費カロリーが圧倒的に少なくなっているのに、摂取カロリーは超過。太らない方がおかしい。

 早速、以前行って実績があった「糖質制限」ダイエットを再開した。

 ご飯、麺類、パンなど糖質を多く含む主食は食べないか、ごく少量をとる。スナック菓子、糖類を多く含む清涼飲料もNG。野菜はカボチャ、トウモロコシなど糖質を含む野菜は摂取は避ける。酒は焼酎など蒸留酒。細かい「制限」は専門のサイトなどが多くあるのでチェックしてほしい。

 「大食い」にとって楽なのは糖質さえ制限すれば、たくさん食べても良いというルール。塩焼きの焼き鳥、焼きトンを、糖質オフのホッピーを飲みながら飽食してもよい。

 糖質制限ダイエットを再開するに当たって、3食、何をどう食べるか計画を立てる。

 朝は豆腐や納豆、野菜の味噌汁と植物性乳酸菌たっぷりのぬか漬け。夜は居酒屋メニューで品を選べばいい。

 問題は昼食だ。

 最近のニュースで「糖質制限ダイエット中に回転寿司でシャリ(ご飯)を残して店にいやな顔をされた」というのがあった。刺し身は糖質制限にはうってつけの食材だが、腹いっぱい食べるのにはそこそこの皿数を食べる必要がある。

 長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」は麺なしの「野菜たっぷりスープ」を発売中。「いきなりステーキ」では平日のランチで300グラムのステーキを1350円で提供。「ライス抜き」で頼むと100円引きとなる。こうした店を上手に利用するのも手だ。

 だが選択肢も少なく、どうしてもランチ代が割高になることはいなめない。

 杉並区の高円寺。若者の街はランチ激戦区でもある。私が知る限りで、ランチでライス食べ放題の店が5軒。そのうち3軒は800円以下だ。

 飽食の国・日本では、炭水化物を過剰に摂取して太るのより、食事制限をして痩せる方がお金がかかる。

 糖質制限ダイエットと自転車通勤を再開して10日。体重は3キロ落ちた。

 世界中の飢餓人口は約7億9000万人。9人に1人が健康で活動的な生活を送るために十分な食糧を得られていない。

偽善に聞こえるかもしれないが、そんな世界に生きていて、「ダイエット」なんて、私は何をしているのか…とも思う。

 「You are what you eat(あなたはあなたの食べたものでできている)」。という言葉がある。

 何を食べるか、悩み、考える…少なくともダイエットはそんな機会を与えてくれる。(専門委員)

 ◎糖質0g麺を使ったアジアン鶏そば

 紀文から発売中の「糖質0g麺」はおからとこんにゃくを原材料につくられた糖質オフの麺。食感もベトナム料理のフォーのような感じで使い勝手がよい。

 (1)鶏の胸肉200グラムに対して水600ミリリットルを圧力鍋で強火で5分、弱火で10分調理。
 (2)自然にさまして、肉を取り出し、塩とナンプラーで味付け。
 (3)糖質0g麺を加え、麺に火が通ったら器に盛る。ゆでた鶏胸肉、白髪ネギをトッピング。

 ※ダシは鶏胸肉の煮汁のみ。スープは600ミリリットルでおよそ2人前。

 ◆笠原 然朗(かさはら・ぜんろう)1963年、東京都生まれ。身長1メートル78、体重92キロ。趣味は食べ歩きと料理。

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