【ドラマ座談会】やっぱり失敗しない「ドクターX」“貴族”織田裕二は右京?古畑?

[ 2016年10月22日 12:05 ]

秋ドラマの主演を務める(左から)天海祐希、米倉涼子、菅野美穂
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 10月スタートのドラマが出そろった。秋の夜長にゆったり鑑賞。お気に入りの作品も定まってきたのでは――。スポニチアネックス記者が初回を見て感想を語り合う「ドラマ座談会」。今回取り上げるのはこの5本。

 ――初回の視聴率が20・4%。今年の民放連ドラ初の大台超えで1位になるなど、貫録の強さを見せた「ドクターX」(テレビ朝日)から。

 K記者 さすがとしか言いようがない。泉ピン子演じる副院長をはじめとした新キャラクターも、まあ濃いこと。その副院長の狙いが分からないところも気になるし。

 R記者 恥ずかしながらこのシリーズを見るのは初めて。でも、初見でも分かるように登場人物のキャラや人間関係、立場などが伝わる演出だった。初心者にも優しい作りは高視聴率の要因の一つだと思う。米倉演じる未知子の銭湯での入浴シーンも男性にとっては最高。

 N記者 手術では、日本初の3Dプリントを使うなど最新の技術も取り入れていて、オペ描写でのマンネリ化が払しょくされていた印象。キャラも設定も進化。何より未知子の目力がパワーアップしていて圧倒された。

 ――「IQ246~華麗なる事件簿~」(TBS)も好発進。バラエティー番組で土屋太鳳がミニマラソンを激走し、ヘロヘロになりながらもPRした“命がけの番宣”も話題に。

 S記者 今までにない織田裕二の演技に驚き。賛否割れているようだが、新しい挑戦を見守りたい。監察医役の中谷美紀との絡みが今後番組の名場面になりそう。

 R (織田の)話し方が「相棒」の杉下右京みたいで違和感があったけど、そのうち慣れてきて最後はむしろハマリ役だと。ただ、IQ246なのだから推理パートには練りに練ったトリックとその解き明かしがもっと欲しかった。

 D記者 織田裕二といえば熱血のイメージ。今回も役に対する“熱”を感じた。

 K 途中から話し方が気になって、「あ、古畑任三郎だ」って気づいたら余計に気になるという。頭脳派の貴族の設定なのに色黒だとか、いろんなところが気になりだして止まらなかった。まあ、全話通じての謎がありつつも事件は1話完結で見やすいかなと。

 Y記者 小ネタが面白い。織田VS石黒賢の場面で土屋が「振り返れば奴はいない!」、新聞の見出しに「レインボーブリッジ封鎖」とか。若い人には分からないかな。

 ――定番のお仕事ドラマ。「Chef~三ツ星の給食~」(フジテレビ)は、天海祐希演じる有名フレンチシェフが、一転して学校給食の調理師となる物語。

 Y 今回の天海は料理への情熱があふれ出る役柄で表裏ないキャラ。挫折や衝突を乗り越えていく姿は共感できる。それにしても、今の給食ってそんなにおいしくないのかな。自分は楽しみで仕方なかったけど。

 N なぜ一流シェフが学校給食を始めることになったのか。それなりのストーリーがあるかと思いきや意外とあっさり。料理好きなので、食材の鮮やかさや調理シーンの華やかさは見ているだけで楽しいのだけど、天海を追い出すために嘘の食中毒をネタにしたのはちょっと残念。

 S 「私の料理はいつだっておいしいのよ」の天海の決めゼリフをどう有効活用するかで話題のドラマになる可能性は十分ある。

 ――「カインとアベル」(フジテレビ)は?Hey!Say!JUMPの山田涼介が月9初主演。

 D 夏の月9と比較すると、落ち着いた感じで見られる。個人的には兄弟の父親役の高嶋政伸が「真田丸」での北条氏政のような怪演を発揮するのか気になる。

 R 落ち着いた感じを超えて、最初から最後まで陰鬱とした空気が漂っていて暗かった。劣等感を抱きながら必死に営業に行く山田に感情移入はできたが、物語が暗いだけに山田の軽やかなビジュアルが浮いて見えてしまった。

 K 確かに。営業なのに茶髪って…とか。もっと気になったのは桐谷健太演じる兄の闇。卑屈になりながも自由に生きる弟とは対照的に、優秀で性格もいいはずなのに。

 Y 兄弟の関係がどうドロドロしていくのか…。最近の月9にはなかったような展開に期待。

 ――最後は、タワーマンションを舞台にしたサスペンス「砂の塔~知りすぎた隣人~」(TBS)。住人たちの見栄や駆け引き、ヒエラルキーの実態に「怖すぎる」の声も。

 S タワマンブームの中、誇張はあるかもしれないが、多かれ少なかれ住民が経験しているリアル感がある。「見守られているということは見られていること」というセリフにはハッとさせられる。

 Y 松嶋菜々子がいい意味で怖い。確かに他人の部屋を監視カメラで盗撮し、複数のモニターで監視する姿は異様さが際立っていた。

 D そのドロドロした世界観と、復活したイエモンが歌う主題歌とがマッチ。

 R 夢のタワマンにウキウキだった菅野美穂演じる主人公が日を増すごとに追い詰められていく様子が生々しくて。ママ友の人間関係が閉塞感にあふれていて見るのがつらくなるほど。

 N “家政婦のミタ、再び”って感じの松嶋の謎っぷり。ママ友にタワマン…。セレブとは無縁な自分だが、もしかしたらそれはそれで幸せなのねと思わせてくれる。

 【座談会出席者】S記者=40代男性、好きだった給食はソフト麺。N記者=40代女性、冷凍ミカン。K記者=40代女性、鯨の竜田揚げ。Y記者=30代男性、チーズロール(チーズ入り鶏肉のホイル焼き)。D記者=20代男性、揚げパン。R記者=20代男性、ビビンバ。

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