アイドル刺傷 動機はプレゼント…贈って送り返され「腹を立てた」

[ 2016年5月23日 05:40 ]

冨田真由さんが刺された現場付近に置かれていた、イベントを告知する紙=東京都小金井市

 東京都小金井市で21日に亜細亜大3年でアイドルの冨田真由さん(20)=武蔵野市=が刺され重体となった事件で、傷害容疑で逮捕された住所、職業不詳の自称岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)が「プレゼントを送り返され、腹を立てて刺した」などと供述していることが22日、分かった。ツイッターへの書き込みの件で相談していた冨田さんと武蔵野署が最後に連絡を取ったのは、事件前日の20日だったことも判明した。

 警視庁小金井署によると、岩埼容疑者は「殺すつもりだった」「刃物は事前に用意した」とも供述、あらかじめ計画して冨田さんを襲った可能性もある。「馬乗りになって刺していたようだ」と話す人もいる。

 同署は、現場で刃渡り8・2センチの折りたたみ式ナイフを押収しており、容疑を殺人未遂と銃刀法違反に切り替え、動機や事件の詳しい経緯について捜査を進める。

 同署によると、岩埼容疑者が現場近くのJR武蔵小金井駅周辺から現場付近まで、冨田さんの後を一定の距離を置いて歩いてつけていく様子が防犯カメラに写っていた。その後の調べで「駅で待ち伏せしていた。(現場の)イベント会場前でプレゼントを送り返したことを問いただしたが、曖昧な答えだったのでカッとなり、何回も刺した」と供述したという。

 岩埼容疑者のものとみられるツイッターには、冨田さんにプレゼントした腕時計などが送り返されてきたという趣旨の書き込みがあった。

 冨田さんは今月9日に武蔵野署を訪れた際、岩埼容疑者の名前や住所を伝えて「ブログやツイッターへの執拗(しつよう)な書き込みをやめさせてほしい」と相談。同署は「書き込んだのが本人か調査が必要」として同容疑者に接触していなかった。

 事件前日の20日に、冨田さんから21日のイベントについて伝えられた武蔵野署は、会場を管轄する小金井署に「冨田さんから110番があれば対応するように」と依頼した。ただ、冨田さんから連絡がなかったため、小金井署は会場に警察官を派遣していなかった。また、この相談は警視庁でストーカー事案などに一元的に対応している「人身安全関連事案総合対策本部」にも、事件が起きるまで報告されていなかった。警視庁は対応が適切だったか調査する。

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