脳出血の後遺症と闘う落語家 林家かん平の四半世紀を映画化

[ 2016年4月14日 09:40 ]

ナレーションを務めた津川雅彦(右)と対面した林家かん平

 脳出血の後遺症と闘いながら高座を務める落語家林家かん平(66)の生きざまを描くドキュメンタリー映画「涙の数だけ笑おうよ~林家かん平奮闘記~」(監督竹藤恵一郎)が9月3日に封切られる。ナレーションを津川雅彦(76)が務め、かん平も感激している。

 倒れたのは90年10月31日、41歳の時だった。一命は取り留めたが、右半身と言語に障がいが残った。それから四半世紀。カメラは懸命にリハビリを重ね、学生時代からの仲間たちが開いてくれる落語会で創作落語を披露するまでの1年を追った。

 「映画になるなんて、信じられません。一生懸命やっていれば、ちゃんと見てくれる人がいて、ご褒美をくれるんだなと思いますねえ。自分の体験談をじめじめしないで、笑いに変えてお伝えできればと思います」

 初監督作品「寝ずの番」や師匠役を演じた「落語娘」など落語に造詣が深い津川は、脳卒中で倒れた父で俳優の故沢村国太郎さんを引き合いに出し「親父も15年くらい頑張った。普通は気力が衰えるものですが、しゃべりたいという欲があるからかん平さんも元気なんでしょう」と感心した。

 映画は同居する92歳の母親への老老介護なども描き、高齢化社会を映し出す。海老名香葉子さん(82)や3月21日に66歳で死去した芸人仲間の四代目江戸家猫八さんも証言者として出演する。

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2016年4月14日のニュース