黒木華 岩井監督作品参加で感慨「幸せな時間しか思い出せない」

[ 2016年3月16日 19:05 ]

映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」完成披露イベントに登場し笑顔の黒木華

 女優の黒木華(26)が16日、都内の映画館で主演映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」(26日公開)の完成披露試写会で岩井俊二監督(53)とともに舞台あいさつに立った。

 黒木は第39回日本アカデミー賞で史上2人目の2年連続の最優秀助演女優賞を受賞。14日に26歳の誕生日を迎えたばかりとお祝い続き。イベント冒頭、司会者から祝福の言葉を受けると「ありがとうございます。すいません」と照れ笑いを浮かべた。

 SNSで知り合った男と結婚するも、彼の浮気で義母に家を追い出された主人公の派遣教員・七海(黒木)がさまざまな出会いや経験を通して成長していく姿を描く物語。一昨年11月から約1年間という長期の撮影を振り返り「幸せな時間しか思い出せない」としみじみ。「行く所行く所、ロケーションが素晴らしくて、どこにいるのがわからない場所がすごく多かった。最初に七海ちゃんがスーツケースを持って迷っているシーンを撮ったんですけど、ここはどこなんだろうって本当に思った。(共演の)綾野(剛)さんとかみんなに助けられた。現場はすごく楽しいんだけど、家に帰るとどっと疲れている。それぐらい緊張感のある現場だった」と続けた。

 高校時代、岩井監督の「リリィ・シュシュのすべて」を見ていたという黒木は「多感な時期で、いろんなことを感じた映画。すごく大事にしてきたし、今でも苦しいことがあったら、思い出してみたりする。自分がその映画を撮った監督とできるなんて思いもしなかったので感激している」。そんな黒木をオーディションで見い出した岩井監督は「(オーディションでは)この子しかいないという感じで、魅了されるものがあった。この子で映画を撮りたいと思った。予想にたがわぬ器の大きさ、本当に僕の方からこうしてほしいから注文があまり出ないぐらい、息の合ったところですごくいい撮影の日々だった。よく昭和の雰囲気とよく言われるけど、僕的には一番現代的だと思っている」と感慨深げ。

 黒木演じる七海は現代のさまざまな問題に向き合っていく役どころ。「ファンタジーに見えるんですけど、実際にあることばかり。本で読むと生々しかったし、これが現代なんだなと。普通の女の子の感情がリアルに描かれているなと思う」と黒木。「本当にやっと皆さんに届けることができる。本当にうれしい。自分にとってすごくいとしい作品。皆さんにも愛しい映画になればいい」と作品への思いを語った。

 岩井監督も「ようやく形になって、見ていただける日が来ました。感無量です。魂と向き合いながら数年間かけて作った映画です。今日を皮切りに繰り返し繰り返しこの作品に触れてもらえたら。ぜひ感じてください」とメッセージを送った。

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