橋口亮輔監督「恋人たち」で日本映画大賞 詐欺被害での絶望感投影

[ 2016年1月21日 09:18 ]

初の日本映画大賞に感慨深げな橋口亮輔監督

2015年毎日映画コンクール

 もがきながらひたむきに毎日を生きる人間たちの姿を丹念に紡いだ橋口亮輔監督(53)の「恋人たち」が日本映画大賞に輝いた。

 初の大賞に耀いた橋口監督は「僕のターニングポイントになる映画」としみじみ語った。優秀賞と脚本賞に耀いた「ぐるりのこと。」から7年がたったが、この間、実は詐欺被害に遭い、絶望感に打ちひしがれていた。

 「いっそ飢え死にでもすれば、初めて僕が経験したことが明るみに出るかもしれない」とまで思い詰めたというが、そんな監督を気遣い続けたのが深田誠剛プロデューサー。「モチベーションがなくなった僕に、“じゃあワークショップやりませんか”と背中を押してくれた」と感謝する。

 そのワークショップから誕生したのが「恋人たち」だ。通り魔に妻を殺された男、突然現れた男によろめく主婦、親友への思いを秘めつつ、もんもんとした日々を過ごす同性愛の弁護士。この3人の挿話を丹念にすくいとり観客の心を震わせた。

 篠原篤(32)、成嶋瞳子(42)、池田良(37)という無名の3人に、光石研(54)や山中崇(37)ら実力派を絡ませる絶妙な配役。理不尽に妻を失った男のぶつけどころのない怒りに自らの思いも投影させ「自分の体験、新人たちをプロの俳優としてスタートラインに立たせること、そして今の日本を反映させること。これを3本柱にして作った」と明かす。

 「感動した」「泣いた」ではなく、「救われた」という声が多く寄せられた。渦巻く共感。ファンにとってうれしい橋口監督の復活となった。

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