“1粒で2度おいしい”「ペケポンプラス」上田晋也の司会とボケ

[ 2015年11月9日 08:30 ]

くりぃむしちゅー・上田晋也の司会(左)とボケが両方楽しめる「ペケポンプラス」(C)フジテレビ

 フジテレビのバラエティー番組「ペケポンプラス」(火曜後7・00)が人気コーナー「ペケポンお受験」「脱出せよ!ナゾな城」を軸に好評を博している。2009年4月に始まった「ペケ×ポン」を今年4月にリニューアル。金曜7時から火曜7時に引っ越した。総合演出の渡辺琢氏が“1粒で2度おいしい”番組の作り方、バラエティー番組の演出術を明かした。

 レギュラー陣は「くりぃむしちゅー」の上田晋也(45)有田哲平(44)「タカアンドトシ」のタカ(39)トシ(39)柳原可奈子(29)。「ペケポンお受験」は有名小中学校の実際の受験問題、特に発想力が要求される問題にレギュラーメンバーと2世タレントらが挑む企画。「脱出せよ!ナゾな城」は豪華賞品を目指し、なぞなぞを解く。

 渡辺氏は「ワンナイR&R」など数々のバラエティー番組を手掛け、2010年には森三中・黒沢かずこ(37)主演の「クロサワ映画」で映画監督デビュー。第2回沖縄国際映画祭グランプリに輝いた。

 渡辺氏は「レギュラーの皆さんの魅力を余すことなく伝えたい」とコーナーごとにメンバーのポジションを変えた。例えば、くりぃむ・上田は「ペケポンお受験」で司会進行役だが「ナゾな城」は解答者に回る。「『ナゾな城』ではプレイヤーの1人なので、ものすごくボケるんです。ほかの番組だと、名司会者の上田さん。ボケのポジションは、なかなかないですよね」。今や名MCの地位を確立した上田の貴重なボケが楽しめる。

 柳原は「ペケポンお受験」で解答者だが「ナゾな城」は司会進行役。「可奈子ちゃんはボケの位置だと毒気を出すのが持ち味だと思いますが、司会だと『前の日に眠れない』と緊張して、女の子の一面が出ることがあります。すごくかわいいんですよ」。同じタレントでも、ポジションが変わることで異なる魅力が表れる。1粒で2度おいしい――。渡辺氏の狙いが見事にハマっている。

 「タレントさんご本人の魅力を伝えるのがバラエティー番組だとすると、その魅力が最も伝わりやすい環境をつくることが、バラエティーの一番の演出だと思っています。ドラマの場合は役柄やセリフがあり、ご本人とは全く別の人を演じていただく。上手にウソをつくことがドラマの基本。架空の世界に感情移入してもらうためには、ものの見事にウソをつかないといけません。ところが、バラエティーの場合はご本人そのものの魅力を出さないといけないので、とにかくウソがつけません。なので、ご本人の魅力が出る環境は何なのかを考えます」

 例えば、タレントの座る位置へのこだわり。自由奔放な言動で人気の声優・金田朋子(42)が出演した9月15日放送の「ペケポンお受験 この親にしてこの子あり!保護者参観SP」。金田朋子の左斜め後ろには俳優の梅宮辰夫(77)が座った。

 「カネトモ(金田朋子)さんが“暴走”し始めると、梅宮さんの顔つきが変わってきまして。カネトモさんの魅力を伝えようとした時、カネトモさんのことを何も言わなくても、梅宮さんの顔のアップを撮れば、視聴者の皆さんは『梅宮さん、そう思うよね』と感情移入できます。ご本人に『ああしてください、こうしてください』ではなく『ここにいていただければ、魅力が伝わると思います』というのが、バラエティーの演出だと思っています」

 渡辺氏は今年4月のリニューアルから番組の総合演出を担当。「お父さん、お母さん、子どもさん、家族みんなでワイワイガヤガヤ言いながら、ご覧いただいているのを想像しながら作っています。温かい笑い、ハッピーエンドを届けたいと思います」とモットーを語る。

 10日に放送される2時間スペシャルの「ペケポンお受験」は保護者参観SP。定期的に出演し、珍解答でバラエティー番組が板についた俳優の高畑裕太(22)が名解答を出す。参観した母で女優の高畑淳子(61)は「(裕太の)子育ては大変でしたが『ペケポン』でスクスク育ちました」と大喜び。爆笑とともに、感動も誘う。目指す温かい笑い、ハッピーエンドが生まれ、渡辺氏は「番組をご覧いただく親御さんたちにとって、番組が子育てのちょっとした息抜きになればいいと思います」と話した。

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2015年11月9日のニュース