TBS“世界系番組”が好評のワケ 成長と教養で視聴者の満足度高く

[ 2015年6月24日 16:10 ]

「ダウンタウン」の松本人志

 今“世界”に注目した番組が流行中だ。放送開始から25年以上の長寿番組「世界まる見え!テレビ特捜部」(日本テレビ)や、毎週高視聴率を連発している人気番組「世界の果てまでイッテQ!」(同)を筆頭に、「世界ナゼそこに?日本人」(テレビ東京)、「世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?」(フジテレビ)、など、プライムタイムで放送中のバラエティ番組で「世界」とタイトルが付き、海外をテーマにした番組は8つもある。中でもTBSで放映されている2つの“世界系番組”が好評を博している。

 まずは水曜深夜から放送中の「ナイナイの海外定住実験バラエティ世界のどっかにホウチ民」。日本しか知らない4人のタレントを世界のどこかへいきなり放置し、言葉が通じない土地で家を借り、職を探し、ビザが切れるまでの3カ月間生活するというドキュメントバラエティ。それぞれ生活する国の文化を知ることができるのはもちろん、司会のナインティナインと、4人のタレント=ホウチ民たちとのテレビ電話でのやり取りの面白さや、「まだこの国の人たちを信用できていない」など、本音を漏らすのも特徴。過酷な状況下で生き抜くタレントたちの成長物語としても楽しめる内容となっている。

 もう一つは木曜深夜の「クレイジージャーニー」。ダウンタウン松本人志がMCを務める番組で、スラム街などの危険地帯専門家や、米国の刑務所に投獄されていた元囚人、廃墟など変わった建造物を専門にした写真家ら、かなりマニアックな視点をもつ人物の体験談を紹介するトラベルトークバラエティ。松本独特の視点から生まれる笑いだけでなく、危険地帯の深刻な現状や深海や廃墟など観光旅行では絶対にみることができない神秘的な映像に息をのむ場面も多い。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)の満足度調査によると、「世界のどっかにホウチ民」が4・1、「クレイジージャーニー」が4・4(5段階評価・直近放送分4回平均)と、高満足度の基準3・7を大きく上回る高い数字だ。

 「ホウチ民」に寄せられた回答からは「異国の生活で四苦八苦しているが段々と成長している姿が良い」(43歳・男性)、「この番組は海外で定住している出演者が個性的で、いろいろなハプニングがあり、毎回、見ていて笑いが止まらなく、お気に入りの番組」(43歳・女性)など個性あふれるホウチ民たちの成長を一緒に楽しんでいるようすがうかがえる。

 「クレイジージャーニー」では、「あれだけすごい廃墟を映像で見られるというのは、迫力があってよかったです」(31歳・男性)、「最高に素晴らしい番組。教養になって、しかも面白くて、もっと色々な世界を堪能したい」(48歳・男性)など、教養番組的な性格もあり、良質な番組と評価されている。
個性あふれる“世界系番組”。海外が憧れだった時代から比べれば、信じられないほど一次情報は得られる環境にいる日本人だが、それは紙の上だったりネット上だったりと、リアル感に欠けるものが大半。テレビを通してだが、まだ世界は知らないことだらだ。

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2015年6月24日のニュース