渡辺謙「王様と私」でトニー賞初受賞なるか?8日発表 

[ 2015年6月6日 05:12 ]

 米演劇界で最高の栄誉トニー賞の授賞式が、ニューヨークで7日(日本時間8日午前)に行われる。ミュージカル部門で主演男優賞に渡辺謙がノミネートされており、言葉や人種の壁を乗り越えて、日本人俳優として初の栄冠をつかめるか注目を集めている。

 渡辺が主演したミュージカル「王様と私」はリンカーンセンター・シアターの制作。トニー賞受賞歴のあるバートレット・シャーさんの演出で、4月に本公演が幕を開けた。主演男優・女優のほか、リバイバル作品、舞台美術など9部門で候補になった大本命だ。

 映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞と並び、トニー賞は米ショービジネス界最大のイベント。日本人がノミネートされること自体極めてまれで「謙さんはいくつもハードルを乗り越えてきた。候補となるだけでも快挙」と映画・演劇評論家の萩尾瞳さんは言う。

 そもそも、ブロードウェーで東洋人が主演できる役は限られている。1959年に主演女優賞候補に挙がったナンシー梅木が演じたのは中国人役。76年にノミネートされた日系米国人マコ岩松が主演した「太平洋序曲」は幕末の日本が舞台。渡辺が演じたのはシャム(現タイ)王だ。

 また、ブロードウェーの人気作は出演俳優が次々に代わってロングラン公演されるが、候補になるのは開幕キャスト。地元で暮らすアジア系俳優が役をつかもうと競り合う中、渡辺は日本から単身乗り込んだ。

 萩尾さんは「演出家の意図をくんで、時間をかけてゼロから役を作り上げなければならない。しかも作品の売れ行きを左右する」と開幕主演の責任の重さを強調する。

 映画出演が多い渡辺には、毎日観客に身をさらして英語のせりふを話し続けなければならないのも大きな違いだ。プレビュー公演では辛口の評もあったが、渡辺は「ショーに真正面から真摯に向き合うしかない」と上演を重ね、トニー賞候補にたどり着いた。

 「王様と私」を5月下旬に観劇した萩尾さんは「謙さんは一瞬で劇場空間をつかんでしまうオーラを持っていた。聴きにくいせりふもあったが、王様の尊厳、知性、そしてユーモアも感じさせ、受賞に値する演技だった」と期待を寄せている。

 ▼王様と私 1860年代のバンコクで、王様が王子らの教育係として招いた英国人のアンナと敵対しながら心を通わせる物語。オスカー・ハマースタイン2世が脚本を執筆、リチャード・ロジャースが作曲したミュージカルが、1951年にユル・ブリナー主演で初演され、映画化もされた。王様とアンナが2人で踊る「シャル・ウィ・ダンス」で知られる。

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