二転三転の説明、事故再現にも違和感…流行さん妻「話が違う」

[ 2015年5月22日 16:38 ]

42年前の萩原流行さんの写真を前に会見する妻まゆ美さん

 先月22日にバイク事故のため亡くなった俳優の萩原流行さん(享年62)の妻・まゆ美さん(62)が22日、都内で記者会見を行った。会見には代理人の堀内稔久弁護士も同席した。まゆ美さんは「丸1カ月たって、捜査の進展は全く伝わってこない。肝心の事故に関して全く分からない」と警察捜査の“違和感”を訴えた。

 事故は先月22日、東京都杉並区の青梅街道で発生。警察の護送車が路上駐車の車をよけるため車線を変更したところ、中央車線を走っていた萩原さんのバイクが転倒。護送車の前輪付近に接触し、追い越し車線を走っていた乗用車にひかれたとされる。

 まゆ美さんによると、当初は警察車両が関わっているという言葉は「まず出なかった」といい、その事実を聞いたのは「当日(22日)」の夜中」だった。「(護送車とは)接触しているか、していないか、分からないと言われた。その後、右側の前が当たった可能性があると聞いた」。その後は、23日に検死を行うという説明を受けたが、実際は「(2日間は)検死はしていなかった」ということを今月19日になって聞かされた。

 24日に行われた司法解剖の結果についても「今週中には死亡原因を“不詳”ではなく、書類を出せると聞いていたが、19日(火曜日)になって司法解剖の結果は半年ぐらいかかると言われた」。二転三転する警察の説明に「これは何なんだ。話が違う」と不信感が募らせていったという。

 まゆ美さんが疑問に思う対応は他にもあった。萩原さんが通う医療機関に警察から直接連絡があり、「カルテを出せと言われた」という。堀内弁護士も「(診断書を)出さないと押収すると言っていると聞いている。彼が押収されるんですか?何のために押収するんですか?被害者の家族に、被害者がかかっている病院に対してその言葉はひどい」と怒りをにじませた。

 14日に行われた青梅街道上り線を5時間封鎖しての“再現”と言われる事故現場の実況見分についても疑問点がある。まゆ美さんは「現場に5時間立っていたが、稼働したのは最後の1時間だった。あれが何のためだったのか。どう見ても後ろからバイクがツッコんでいるようにしか見えないと、私には受け取れた。本当にそうだったのか、そこは疑問に思った。その結果も知らされないし、用途も知らされない」。

 さらに、事故当日、現場を通って、萩原さんが運ばれた病院まで向かったというまゆ美さんは「なぜバイクが中央車線の真ん中に倒されているのか。萩原さんが倒れたのはあそこ(警察が事故現場として撮影した場所)ではない」と思わず、声を荒らげてしまうほどで、車両の位置関係の“再現”には大きな違和感があったという。「白っぽいバンの右前の角が破損しているというのは聞いた。再現のバンにはその傷が見当たらなかった。それも消されるのかとも思った」とも。

 堀内弁護士によると、遺族側にはいくつかの情報が寄せられているという。「彼の行動については青梅街道のコンビニの防犯カメラにきちんと映っている」「(萩原さんが)まっすぐ走っていたら、いきなり警察車両がツッコんできたので倒れた」「護送車は一端は止まり、誰が降りてくるのかと思ったが、降りてこず、そのまま行ってしまったが、しばらくして戻ってきた」「流行さんをひいたクルマの前にも車がいて、その車は避けた」などとする目撃情報があり、「(入ってくる情報と警察の説明が)合わないです。(事故の)状況が知りたいんです。監視カメラ、防犯カメラを公表していただきたい。公正な捜査をやっていただきたい」と訴えた。

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