ドラマ冬の時代に突入か?話題作豊富4月期も初回20%超えなし

[ 2015年5月2日 09:30 ]

ヒットが期待されるTBSテレビ60周年特別企画・日曜劇場「天皇の料理番」に主演する佐藤健

 4月スタートの民放連続ドラマ15作品(ゴールデンタイム=午後7~10時、プライムタイム=午後7~11時)が出揃い、初回視聴率はテレビ朝日「アイムホーム」(木曜後9・00)の16・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)がトップだった。話題作が目白押しとされた4月クールだったが、1月クールに続いて初回20%超えの大ヒットはなし。ドラマは突如、冬の時代に入ったのか――。

 昨年は7月クールのフジテレビ「HERO」(月曜後9・00)10月クールのテレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜後9・00)が大ヒットした。

 「HERO」は初回26・5%、最終回22・9%、全11話の期間平均は21・3%。「ドクターX」は初回21・3%、最終回27・4%、全11話の期間平均は22・9%。

 それがウソのように、今年に入ってからドラマ全般に低調。1月クールはフジテレビ「デート~恋とはどんなものかしら~」(月曜後9・00)の14・8%が初回トップ。20%超えはおろか、15%超えもなかった。

 4月クールは「アイムホーム」16・7%、TBS「天皇の料理番」(日曜後9・00)15・1%と、2作品が初回15%超え。

 ただ「アイムホーム」は16・7%→14・0%→13・5%と第3話まで“右肩下がり”。大本命の1つと目された日本テレビ「Dr.倫太郎」(水曜後10・00)は13・9%→13・2%→13・7%と第3話まで“横ばい”。ほかに上がり目気配の作品はなく、3日に第2話を迎える「天皇の料理番」の動向に注目が集まる。

 インターネット動画やスマートフォン全盛となり、テレビ離れや視聴スタイルの変化が叫ばれて久しいが、2013年は1月クールでTBS「とんび」(日曜後9・00)4月クールでフジテレビ「ガリレオ」(月曜後9・00)7月クールでTBS「半沢直樹」(日曜後9・00)10月クールでテレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜後9・00)とヒット作が生まれた。2年前でも“ひと昔”ということなのか。

 「リアルタイムで見る人が減った」という指摘もあるが、昨年7月にビデオリサーチが初公表した録画再生率で、1位はTBS「ルーズヴェルト・ゲーム」(日曜後9・00)。昨年10月に2回目の発表があり、録画再生率1位はフジテレビ「HERO」。ともに高視聴率ドラマで「録画されているから」→「視聴率が低い」とは直結しにくい。録画されていても、人気のある作品はリアルタイムで見られている実態が明らかになった。 

 各局「見逃し配信」を実施するなど、リアルタイムで見てもらおうと、あの手この手を尽くしている。視聴率がすべてではないとはいえ、テレビマンの悩みは小さくなさそうだ。 

【4月スタートの民放連続ドラマ初回視聴率ランキング】(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
(1)16・7%=テレビ朝日「アイムホーム」(木曜後9・00)
(2)15・1%=TBS「天皇の料理番」(日曜後9・00)
(3)13・9%=日本テレビ「Dr.倫太郎」(水曜後10・00)
(4)13・0%=フジテレビ「ようこそ、わが家へ」(月曜後9・00)
(5)12・7%=日本テレビ「ドS刑事」(土曜後9・00)
(6)11・5%=TBS「アルジャーノンに花束を」(金曜後10・00)
(7)11・0%=テレビ東京「三匹のおっさん2」(金曜後7・58)
(8)10・9%=テレビ朝日「警視庁捜査一課9係」(水曜後9・00)
(9)10・4%=フジテレビ「心がポキッとね」(水曜後10・00)
(10)10・3%=フジテレビ「医師たちの恋愛事情」(木曜後10・00)
(11)9・8%=TBS「マザーゲーム」(火曜後10・00)
(12)9・7%=日本テレビ「ワイルド・ヒーローズ」(日曜後10・30)
(13)9・1%=TBS「ヤメゴク」(木曜後9・00)
(14)7・9%=テレビ朝日「京都人情捜査ファイル」(木曜後8・00)
(15)6・2%=フジテレビ「戦う!書店ガール」(火曜後10・00)
<参考>
6・4%=テレビ朝日「天使と悪魔」(金曜後11・15)
4・4%=日本テレビ「恋愛時代」(木曜後11・59)
4・2%=フジテレビ「She」(土曜後11・40)

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