芸能人の弔事 喪服にみられるそれぞれの“主張”

[ 2014年10月8日 14:10 ]

 芸能人の弔事で注目を集めるのが、実は喪服だ。

 元人気アイドル歌手が、実母の告別式でまとったのは着物の喪服。幼い頃に事故で父親を亡くし、こちらも元アイドルだった弟は不祥事で逮捕され、追い打ちをかけるように母親が亡くなるという不幸に見舞われた。

 当時20代前半だったが、薄幸さを助長するような憂いを帯びたその喪服姿はあまりに美しく、インターネット上では不謹慎ながら賞賛の声が上がったほどだった。

 ある大物女優は、ベールの付いたヘッドドレスを着用するなどモード感のある喪服姿で弔事に現れることで知られる。しかし、事実婚関係にあった男性が他界した際には、スタンダードな着物の喪服を着用。正式な妻にはならなかったものの、正統派な装いで自身の地位を示した。

 大相撲の親方の元妻は元夫の通夜で、灰色の色無地の着物をまとった。和服の知識のない人からは「あんな色の着物、OK?」との声が上がったが、色無地は、弔事に着る黒の喪服の一段下の準喪服。おそらく、離婚した元妻という立場を考えての装いと考えられるが、色無地を着てくるのは、「長年連れ添った元妻」という意地と、「角界にいただけに、和服の知識に長けている」という無言のアピール感が漂った。

 俳優の妻は、白い喪服で注目を集めた。実は日本は、明治維新まで白い喪服が主流だったという説も。漫画「はいからさんが通る」で主人公・花村紅緒が、婚約者の訃報を知らされて白い喪服で登場するシーンがあり、この漫画の1シーンで、白い喪服には「二夫(にふ)にまみえず」という“今後、再婚しない”という心意気も込められていることを知った…という女性も少なくない。

 総じて弔事の場では、芸能人も常識的。だがギリギリのラインで、静かに自己主張していることがあるようだ。

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2014年10月8日のニュース