無名ピン芸人・守谷日和がラジオで頂点 “三浦マイルドの道”狙う

[ 2013年8月20日 08:55 ]

初タイトルに、顔をくしゃくしゃにして喜ぶ守谷日和 

 “耳で楽しむ演芸”の頂点を競うMBSラジオの賞レース「第2回ヤングスネーク杯」がこのほど、大阪市内で開かれ、ピン芸人の守谷日和(32)が決勝10組の頂点に立った。聴覚と想像力に訴えかけるネタで爆笑を誘った無名の王者は「この勢いでR―1も狙う」と大喜び。今年1月の第1回大会で準優勝した直後、ピン芸No・1決定戦「R―1ぐらんぷり」を制した三浦マイルド(35)に続く快進撃を誓った。

 大阪の劇場「5upよしもと」を拠点に活動する守谷日和。タイトルはおろか「賞レースの決勝も初めて」で栄冠を勝ち取った。くしゃくしゃにシワを寄せる「顔芸」が売りで、視覚に頼れないラジオは不利だったが、予期せぬ優勝に得意のしわくちゃ顔で「うっれしいな~」と笑った。

 最終決戦2組の座を懸けての1本目は、迷子になり不安げな小学生が、マイクを前にした途端キャラがひょう変するネタ。落語家のような流ちょうな口調で、自ら親を呼び出すアナウンスを行う子供を演じ、観客を沸かせた。1位通過の「ヒガシ逢ウサカ」との決勝では、演出家の過剰な要望に応えて台本のセリフをハチャメチャに読む役者のネタで、審査員5人中4票を獲得した。

 ほぼやったことのない顔を使わないネタをイチかバチかで1本目にぶつけた。そのラジオを意識したネタ選びがハマった。声色を巧みに変えてキャラになりきり、芸達者ぶりを証明した。

 守谷は2003年に吉本興業の養成所「NSC」に入学。テレビでも活躍する「かまいたち」「藤崎マーケット」ら同期とは対照的に日陰を歩んできた。「幕末てんぐ」というコンビのツッコミを担当。「baseよしもと」のオーディションに落ち続け、コンビを解散。芸人廃業状態で2年間のアルバイト生活を経て、約4年前にピン芸人として再出発した。

 賞金5万円の使い道については、「きのう、所持金が1000円を切って同期の(ピン芸人)バイク川崎バイクに1万円借りたんで、とりあえず返します」と苦笑い。

 第1回スネーク杯は三浦マイルドが「ヤクザな広島弁講座」で準優勝後、そのネタでR―1王者に輝いたとあって、無名芸人は「マイルドさんみたいに、この勢いで賞金100倍のR―1も狙いにいく!」。極貧生活脱却を夢見ていた。

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2013年8月20日のニュース