BPO 関テレの別人映像で意見「教訓風化か」

[ 2013年8月2日 17:18 ]

 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は2日、インタビューで別人の映像を使った関西テレビ(大阪市)の報道番組「スーパーニュースアンカー」について、「問題の映像と、発覚後に視聴者に伝えない決定をした2点で、放送倫理に違反する」との意見書を公表した。

 意見書は2007年に起きた関テレの番組「発掘!あるある大事典2」の捏造問題に触れ、「今回の問題が生じたことに驚きがある。『あるある問題』の教訓は風化してしまったのか」と厳しく批判した。

 番組は昨年11月30日に関西ローカルで放送。大阪市職員の兼業の実態を扱ったが、証言者に撮影を断られ、スタッフの後ろ姿の映像にモザイクを掛けて、声を変えた証言者本人のインタビュー音声とともに放送した。

 意見書によると、カメラマンが上司に相談し、放送の数日後には報道局幹部が対応を検討したが「内容に偽りはない」として訂正放送をしないことを決定。今年3月の新聞報道を受け、初めて番組内で謝罪した。

 関テレは「視聴者の信頼を損ね、深く反省している。放送倫理の確立にあらためて努めたい」とのコメントを発表した。

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2013年8月2日のニュース