加藤登紀子、能登愛公演 森繁さん「能登の夢」カバーが縁

[ 2013年5月1日 06:00 ]

新譜のCDジャケットを持ち笑顔の加藤登紀子

 歌手の加藤登紀子(69)が、石川・能登をPRする公演「能登の夢コンサート in TOKYO」(スポーツニッポン新聞社主催)を、6月7日に東京・中野の「なかのZERO大ホール」で開く。石川・能登半島を舞台にした曲「能登の夢」を昨年12月に発売。09年に死去した故森繁久弥さんが作った曲のカバーで、2人にとってヒット曲「知床旅情」以来の“共演”だ。

 「能登の夢」は、89年に森繁さんが書き下ろしたもの。昨年「能登の里山里海」が世界農業遺産に認定され、これを機に現地の人々が同曲を街の活性化に役立てようと発案。森繁さんと縁が深く、叔父が能登に住んでいたことがある加藤に白羽の矢が立った。

 能登の自然美と人々の暮らしから発想を得て作詞され、♪能登はやさしや 土までも――と穏やかな風景を歌う叙情歌。加藤はゆったり、優しく、詞を読むように歌い上げる。「海岸線の長い能登は、外海は凄い激しいが、内海はとても静か。湖のようで、波の音一つ聞こえない。“やさしや”とはこれを歌ったんでしょう」と想像する。

 くしくも、今年は森繁さんの生誕100周年。名曲「知床旅情」は60年に発表。加藤は70年にカバーした。「ヒットするまでは知床のバスガイドさんが一生懸命歌って、旅に来た人に伝えていた。時間をかければかけるほど、歌の力は強くなる」と強調。「能登の夢」も地元で23年間歌い継がれており、歌の持つ力を加藤は信じている。

 能登の好きなところを聞くと、「食べ物がおいしい。夏は赤にし貝、冬は赤なまこ。もずくもシャリッとしてて、岩ガキもおいしいし…」と、すでに魅了されている様子。公演に向け、「うっとりするような、愛のあふれるコンサートをお見せします」と意欲十分だ。

続きを表示

2013年5月1日のニュース