きたりえ 複雑な胸のウチ…フジ「テラスハウス」放送中

[ 2012年10月30日 09:12 ]

「テラスハウス」で共同生活を始めた北原里英は複雑な思いを語った

 北原里英(21)がフジテレビ「テラスハウス」(金曜後11・00)で新境地を開いた。3カ月間、男女6人がシェアハウスを体験する番組。AKB48は「恋愛禁止」だけに、男性が交ざる共同生活はファンをやきもきさせるが、北原は「この仕事を引き受けて100%正解」と断言。自ら考える番組のテーマを「絆」と強調し「私の全てを見てほしい」とファンに呼びかけた。

 海辺のおしゃれな建物。誰もが一度は住んでみたいと思うような空間だ。そこに集まった男性3人と女性3人。寝室は男女別々だが、一つ屋根の下で暮らしていく。「恋愛禁止」のAKBのファンなら心配になるのも無理はない。

 北原は番組の初回で男性陣から「もし、この中の誰かに“キュン”となったら?」と問われ、こう答えた。

 「どうなんだろう。AKB的にはダメだから、そうなったら“AKBをやめるか…”みたいな感じ。でも、中途半端に参加するなら、参加しない方がいいと思うから、そのくらい全力で進むという気持ちで来た」

 きたりえ推しの人々にとっては衝撃的な言葉だったに違いない。

 「ちょっと大げさに言いましたね」と北原は笑った。

 とはいえ、それは必ずしも番組を盛り上げるためのリップサービスでもなかったようだ。

 「そのくらいの覚悟で臨んでいるんだということを皆さんに知ってほしかった。一つ一つのことを全力でやるスタイルを自分の中で確立するためにも口にしようと思いました」

 基本的に毎日、仕事が終わると、このテラスハウスに帰る。地名は明かせないが、都心から1時間半程度かかる場所のため、多忙なAKBのメンバーにとってスケジュール的にリスクが高い。しかし、仕事でどんなに深夜になろうともそこへ帰り、次の日はまたそこから出掛けていく。

 「3カ月も自宅に帰れないのは初めてです。やはり一番大変なのは移動ですね。どこの仕事の現場に行くにも、ほかのメンバーより出発時間が早くなる。だから“本当は帰ってないんじゃないの!?”って言われるとメッチャむかつきます」

 初めてのシェアハウス体験で幸福感を得た。

 共同生活を始めて数日後のことだ。仕事を終えて帰宅すると、玄関付近でたまたま電話していた男性に「お帰り」と声を掛けられた。「ただいま」と返し、2階に上がってリビングに入ると、男女数人がくつろいでいて、再び「お帰り」と声を掛けられた。また「ただいま」と返した。それだけのことだが、妙に心が温かくなった。

 「“家に人がいる幸せってこういうことか!”って、ほっこりしました。一人暮らしを始めてからは“お帰り”“ただいま”って会話がなかったですからね。疲れて帰ってくると余計に“お帰り”“ただいま”が胸に染みます。疲れてるのにその言葉で元気になって、結局、遅くまで話し込んじゃったりもします」

 買い出しに出掛けて食事も作る。先日は4人で力を合わせてハンバーグに挑んだ。

 「ひき肉にタマネギ、卵、パン粉、牛乳を混ぜて、塩、こしょうをかけて、赤ワインを入れて焼きました。目分量で作ったんですけど、食べてみたら“メッチャおいしいじゃん!”って感じ。それまで私はお母さんとしか料理を作ったことがなかったんです」

 食事の後は雑談やトランプ、UNOなどのゲームに興じることもある。若い世代の人々にとって、それは男女共学の生徒たちがずっと修学旅行を続けるような生活なのかもしれない。

 「自分で言うのも何ですけど、AKBの中では私が一番こういう生活に向いていると思います。もともと“1人になりたい時間”がない人間なんです。だから、昔、メンバーと一緒に住んでた時も、相手は1人になりたがるのに、私はずっと一緒にいたいと思ってました」

 自分なりに考えている番組のテーマもある。

 「こうやって一緒に住むんだから、絆が一番大事だと思っています。誰かが挫折しそうになったらそれを支えてあげる絆だったり、誰かの夢を応援する絆だったり…。もちろん、恋が一番のテーマだと思う視聴者がいてもいいけれど、私は絆だと思うんです」

 本人は充実した生活を送っているが、周囲の人々の心情は複雑のようだ。

 男女6人の共同生活。番組では「“恋人”になるか“友人”になるか」と刺激的なテロップも流れる。

 「出演が決まった時“おめでとう”というファンは少なかったですね。“複雑だけど頑張ってください”みたいな感じ。“ショックでした”というファンもいて、最近の握手会でも“まだ見てません”と言われました。私も誰かのファンで、その人がこういう番組に出てたら複雑だと思います」

 ファンだけではなくメンバーからも冷ややかな反応を示された。

 「番組を見た子から“もう見ない”って言われました。焼きもちなんでしょうね。自分が知らない人と仲良くされるのが嫌みたい。“きたりえのことは身内過ぎて、見ると心が苦しくなる”という子もいました」

 しかし、それでもこの番組に出演して良かったと断言する。

 「“100%正解だった”と言い切れます。自分のブログのコメント欄に“この仕事を引き受けたのは失敗だと思います”と書かれるくらいのことなんですけど、私は絶対に自分にとってプラスになると思います。こんな特殊な暮らしは普通では経験できませんから。リスクを背負っているのはほかの5人も同じ。彼女がいる人もいるわけだし…。みんな、それぞれ決意して覚悟して出演しているんです」

 この生活を続けていく中で果たして誰かを好きになることはあるのだろうか。その問いに対する答えはこうだ。

 「AKB48を捨ててもいいくらいその人のことを大事だと思わないと、やはりAKB48は捨てられない。まずはAKB48が物凄く大事です」

 番組終了まであと約2カ月。結末は…!?

 【テラスハウスの人々】

 ◆湯川正人(20)=プロサーファー
 「同学年。一度、サーフィンをしている姿を生で見てみたい」

 ◆島袋聖南(25)=モデル
 「大人で、包容力がある。朝ご飯を用意してくれることも」

 ◆菅谷哲也(19)=消防士志望
 「一番年下で、一番いじられキャラ。みんなから可愛がられてる」

 ◆竹内桃子(21)=作家志望
 「アート志向で、話す言葉にもセンスがある。雑学も半端ない」

 ◆中津川翔太(25)=東京芸大生
 「彼女がいるし、年上なので安心感があり、話しやすい」

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