新藤監督通夜、津川雅彦が弔辞「僕の最後のラブレター」

[ 2012年6月3日 06:00 ]

故・新藤兼人監督、通夜の遺影 

 5月29日に老衰のため100歳で死去した映画監督の新藤兼人(しんどう・かねと、本名兼登=かねと)さんの通夜が2日、東京都港区の増上寺光摂殿で営まれ、竹中直人(56)、永島敏行(55)、豊川悦司(50)ら1000人が参列した。

 92年の「ぼく東綺譚」で主演した津川雅彦(72)が「“ぼく東”以来の大役。僕の最後のラブレターだと思って聞いてください」と弔辞を読んだ。亡くなる前日に「そこは英語、日本語で2回撮りましょう」と寝言を言ったと伝え聞き、「大往生の前日に日米合作をお撮りになったとは…その執念に降参です」と目を潤ませた。

 無宗教の献花式。遺影は、ラスト作品「一枚のハガキ」の撮影時の1枚。喪主を務めた次男で、映画プロデューサーの次郎氏(63)が選んだ。代表作「裸の島」(60年)の悲しげな音楽が流れ、舞台となった広島県三原市の宿弥島(すくねじま)のイメージで祭壇が約2000本の白と青の花で飾られた。

 94年に亡くなった夫人で女優の乙羽信子さん(享年70)と同様に、同島近海に散骨する予定。葬儀・告別式は3日午前11時半から同所で営まれ、柄本明(63)らが弔辞を読む。

 ≪広島県庁に献花台設置≫広島県の名誉県民でもあった監督をしのび、広島市中区の県庁にも献花台が設けられ、多くの一般市民が弔問。また市内の劇場シネマサロン2では16日から「新藤兼人百年の軌跡」と題した特集が始まり、「愛妻物語」などが上映される。

 ▼星由里子(舞台「午後の遺言状」に出演)初めての舞台演出でワクワクするとおっしゃっていたのが凄く印象的でした。90歳の先生がワクワクすると言うのが凄いことと思いました。

 ▼永島敏行(「地平線」に出演)米国ロケは気温40度近くになったんですけど、監督が一番元気でした。毎朝、乙羽さんとハムステーキを食べていたのが印象的で、生きることへの執念、食べることへの執念を感じました。

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