「課長、ゆっくりお休みください」…二谷さんを悼む特捜メンバー

[ 2012年1月9日 09:26 ]

 俳優の二谷英明(にたに・ひであき、本名同じ)さんが肺炎のため81歳で亡くなってから一夜明けた8日、代表作の刑事ドラマ「特捜最前線」で部下を演じた俳優らから悲しみの声が相次いだ。

 「特捜最前線」で二谷さん演じる警視庁特命捜査課の課長・神代警視正の部下で、紅林警部補役だった元俳優の横光克彦衆院議員(68)は弔問に訪れた。横光氏は「昔のままの優しい顔でした。“課長、紅林です。長い間ありがとうございました。ゆっくりお休みください”と声を掛けました」と当時の記憶がよみがえった様子だった。

 ▼藤岡弘、(桜井哲夫警部)収録中は自ら意見を出し議論をしながら盛り上げてくれた。映画界の最盛期を引っ張った方らしく作品づくりに妥協がなかった。僕は二谷さんに反発する役柄だったので、お互い普段からなれ合わないように接した。おかげで緊張感が生まれ、映像が引き締まったと思う。二谷さんと仕事ができてよかった。

 ▼横光克彦衆院議員(紅林甚一警部補)全てにおいて格好いい人だった。外国の推理小説とか、たくさん本を読んでいて知的だったし、同性も憧れる存在だった。特捜メンバーの個性を引き出そうと収録中もよく話し合って、現場をまとめてくれた。課長(二谷さん)じゃなければドラマはあんなに長く続かなかっただろう。

 ▼誠直也(吉野竜次巡査長。途中から巡査部長。殉職して警部に)ご病気とは聞いていたが、近くまたお会いできるだろうと思っていただけに残念。役者になって日が浅かったこともあり、仕事への接し方、プロとしての姿勢などを言葉ではなく後ろ姿でいろいろ教えていただいた。仕事で葬儀に参列できずつらい。

 ▼三ツ木清隆(犬養清志郎巡査部長)二谷さんが出演する特命室のシーンの撮影は月に2回で、その日は必ず共演者みんなが二谷さんの控室に集まって昼食をごちそうになった。僕ら若造がちらし寿司とか豪華な物を注文しても柔和な顔で笑って自由にやらせてくれて。公私にわたってのボスでした。

 ▼桜木健一(滝二郎巡査)まさかあのダンプガイが召されるとは信じられない。「まんまる四角」(TBSドラマ)でも親子になって、僕はお父さんって呼び続けていた。

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2012年1月9日のニュース