渡辺謙 新成人に熱くエール“夢を諦めるな”

[ 2012年1月9日 06:00 ]

独協大学で行われた講演会で学生から花束を贈られる渡辺謙

 俳優の渡辺謙(52)が8日、埼玉県草加市の独協大学で講演会を行った。映画「はやぶさ 遥かなる帰還」(監督瀧本智行、2月11日公開)でさまざまな困難に立ちふさがれながらも乗り越えていった技術者役で主演。自身も白血病と闘いながら夢をかなえてきたこともあり、新成人に「諦めずにやり続ければ、いろんなことがかなう」とエールを送った。

 映画の原作となった「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」の著者山根一眞氏が特別講師を務める独協大学で行われた講演会。会場には学生を中心に映画、天文ファンら約1100人が集まった。成人式帰りの晴れ着姿の女性もいた。

 映画のテーマは「絶対にあきらめない」。燃料漏れ、姿勢制御不能、通信途絶による行方不明などさまざまな困難を乗り越え、帰還を果たした無人探査機「はやぶさ」と、それに携わった技術者たちの姿を描いた。

 渡辺は役柄を通じて「どんなハイテクノロジーでも人間の思い、情熱が注ぎ込まれなければ動いていかないということがよく分かった」と熱弁。自身は1989年に急性骨髄性白血病を発症。94年にも再発しながら、病と向き合い今の地位に上り詰めた。それだけに「思い通りにいかないことでも、諦めずにやり続けることでいろんなことがかなう。それは僕自身がよく知っている。映画を通じてそういうことが伝われば」と若者たちに訴えかけた。

 さらに、東日本大震災直後から被災地を20カ所以上訪問してきたと説明。「若い人たちが一生懸命、被災者の皆さんを支える姿を見てきました。こうした素晴らしい行動力、エネルギーを社会にぶつけていってこの国を活気づけてください」とエールを送り、大きな拍手を受けた。

 講演会には渡辺が演じた役柄のモデルである、「はやぶさ」プロジェクトマネジャーでJAXA宇宙科学研究所の川口淳一郎教授(56)らも参加。川口氏は新成人に向け「日本は今、自信を失っていますが、大事なのは自分たちが新たな一歩を踏み出すということ。これからがスタートです」と話した。

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2012年1月9日のニュース