武田鉄矢 心臓疾患で手術も来月上旬には退院

[ 2011年10月28日 06:00 ]

心臓手術をしていたことが明らかになった武田鉄矢

 俳優で歌手の武田鉄矢(62)が心臓疾患のため21日に都内の病院で手術を受けていたことが27日、明らかになった。所属事務所が発表した。患っていたのは「大動脈弁狭窄症(きょうさくしょう)」。生まれつき大動脈弁に異常があったためで、緊急ではなくスケジュールを調整しての計画的手術。無事に成功し、既にリハビリを開始している。来月上旬には退院できる見込みだ。

 所属レコード会社などによると、手術は午前9時から約5時間にわたった。無事に成功し経過は良好。手術後3~4日は寝たきりで安静にしていたが、既に一般病棟で歩行などのリハビリに取り組んでいる。

 正常な大動脈弁は3枚あるが、武田は生まれつき2枚しかない先天性二尖弁(にせんべん)。心臓から血管へ血液を送るのに支障をきたし、大動脈弁狭窄症の原因となる。狭窄症は動悸(どうき)や息切れを引き起こし、最悪のケースでは突然死に至るという。

 関係者によると、武田は10年ほど前に不整脈が出たため検査したところ、二尖弁であることが発覚。自覚症状はなく、生活に問題はなかったため、当時は手術に至らなかった。ただ、放置しておくと狭窄症が進行する可能性があるため、「いつか手術しましょう」と医師に言われていたという。年齢的な問題もあり、体力のあるうちにと、仕事のスケジュールを調整して計画的に手術を受けた。

 今回の手術は、弁を摘出し、人工のものに取り換える置換手術。現代医療ではさほど難しい手術ではなく、成功率は99%以上とも言われる。

 武田はこれまで大病を患ったことがなく、「手術前はさすがに少しナーバスになっていた」(関係者)というものの、医師に全幅の信頼を寄せて手術に臨んだ。現在は病院の食事も元気そうに食べているという。

 体調面の様子を見ながら仕事復帰する予定で、関係者は「まずはラジオなど体への負担が小さいものから」と話している。来年3月には福岡・博多座で舞台「101回目のプロポーズ」を控えているが、予定通り出演できる見込みだ。

 ▼三原じゅん子参院議員(「3年B組金八先生」で教え子役)10年前に先天性の心臓病があるということは聞いていた。ただ舞台でも走り回るし、ゴルフもお酒も心臓に負担がかかることを一緒にやっていたけど、病気を気に掛けているそぶりはなかった。自分に厳しく、人の心配ばかりする方なので、これを機にちょっと休んで自分に優しくしてください。リハビリも頑張りすぎないように。

 ▼福田医院(横浜市)院長・福田伴男氏 先天性二尖弁であることは、心電図の動きからたまたま発覚するケースはあるが非常に少ない。大動脈弁狭窄症も自覚症状が出ないため、気付かない人が多い。若いうちは心臓が柔軟なので症状が出にくいが、年をとるにつれて血流の循環障害を起こしやすくなり、動悸や息切れを起こす。人工弁への置換手術が成功すれば、正常な弁を持つ人と変わらない生活ができる。

 ▽大動脈弁狭窄症 心臓から全身に血液を送り出す左心室の出口にある弁を大動脈弁といい、この弁の開放が制限されて狭くなる状態をいう。血液を送り出す力が余計に必要となるため、心臓に負担がかかり、さまざまな症状の原因となる。原因には先天性二尖弁のほか、加齢やリウマチによる弁の変形がある。先天性二尖弁は1000人に1人いるとされる。

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2011年10月28日のニュース