比嘉愛未 初主演映画で“日本の美徳”演じる

[ 2011年8月16日 06:00 ]

映画初主演が決まった、比嘉愛未

 女優の比嘉愛未(25)が映画に初主演する。実話を基にした「飛べ!ダコタ」(来年9月公開、監督油谷誠至)で、終戦直後に新潟・佐渡島に不時着した英国軍機の搭乗員を、奉仕の精神で世話した献身的なヒロインを演じる。描かれるのは東日本大震災後に海外から称賛された日本人の助け合いの精神。比嘉は「日本人の長所を再確認してもらえる作品にしたい」と張り切っている。

 不時着機の搭乗員8人のうち5人が滞在した「服部旅館」の娘、梶井(旧姓・服部)千世子さんを演じる比嘉。「千世子さんは美しくて気品ある心優しい女性。和の心をしっかり表現したい」と、資料を読み込んで役作りに励んでいる。

 終戦直後に起こった日英友好の感動ドラマ。1946年(昭21)1月、中国・上海から東京に向かっていた英国軍輸送機が、トラブルで佐渡島に不時着した。戦時中は「鬼畜米英」の教育が徹底されていたため、佐渡の人々は英国軍人の上陸に戸惑うも、輸送機が再び飛び立つまでの40日間、誠心誠意もてなした。

 富山の女子挺身(ていしん)隊から帰郷したばかりの千世子さんは、5人の世話役を一手に引き受け、食事や洗濯など身の回りの世話に奮闘。英国民謡のレコードで心を癒やし、自ら英会話本を買い求めて英語を披露すると、軍人はいたく感激していたという。比嘉は「忘れかけてる日本人の思いやりの心が詰まった作品。当時の人々の思いを大事に伝えられるようにしたい」と話している。

 総合プロデューサーの水野清氏は起用理由を「長身で目鼻立ちがくっきりしたルックスと優しさあふれる印象が、千世子さんにピッタリだった」と説明。新作のたびに海外の映画祭に出品している水野氏は、今作も出品を検討中。比嘉も「夢に見てます」と胸を躍らせる。

 撮影は全編佐渡で行われる予定で、来年1月から。佐渡市の高野宏一市長も「輝く大きな瞳に期待してます」と話し、島全体でバックアップする意向。86歳となった千世子さんは今も健在。「その頃のことは思い出せないっちゃ」と多くを語らないが、比嘉は「乗り移ったように演じたい。ぜひお話を聞きたい」と対面を楽しみにしている。

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2011年8月16日のニュース