「蒲田行進曲」のつかこうへいさん死去

[ 2010年7月12日 10:57 ]

1982年1月、「蒲田行進曲」で直木賞を受賞し、記者会見するつかこうへいさん

 「蒲田行進曲」「熱海殺人事件」など反権力や社会的弱者を題材にした作品を数多く発表、戦後の演劇界を代表する演出家、作家のつかこうへい(本名金峰雄=キム・ボンウン)さんが10日午前10時55分、肺がんのため千葉県鴨川市の病院で死去した。62歳。福岡県出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。

 今年1月、肺がんであることを公表。治療を続けていた。
 慶応大在学中からアングラ劇の活動を始め、1974年に「熱海殺人事件」で岸田国士戯曲賞を当時の史上最年少で受賞。同年「つかこうへい劇団」を設立し「初級革命講座飛龍伝」「ストリッパー物語」などで70~80年代初めにブームを起こした。
 82年、戯曲を小説化した「蒲田行進曲」で戦後生まれとして初めて直木賞を受賞。深作欣二監督で映画化もされ、大ヒットした。
 94年に東京都北区と、95年には大分市と組んで劇団を設立。演劇による地方からの文化発信に貢献した。
 主な戯曲に「広島に原爆を落とす日」「幕末純情伝」「寝取られ宗介」、著書に「娘に語る祖国」シリーズなどがある。91年読売文学賞、2007年に紫綬褒章。

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2010年7月12日のニュース