宮崎駿監督「幻想や錯覚を振りまくのはもうやめた方がいい」

[ 2009年10月1日 13:49 ]

鞆の浦の埋め立て架橋事業差し止めの判決を受け、笑顔でコメントする宮崎駿監督

万葉集、ポニョでなじみの景勝地に架橋差し止め命令

 瀬戸内海の景勝地・鞆の浦(広島県福山市)の埋め立て架橋事業をめぐる訴訟で、広島地裁が知事の埋め立て免許差し止めを命じたことを受け、アニメ映画「崖の上のポニョ」の宮崎駿監督は1日、東京都小金井市の「スタジオジブリ」で記者会見し「とてもいい判決。鞆の浦の問題だけでなく、今後の日本をどうしていくかを考えるときに、大きなよい一歩を踏み出した」と評価した。
 宮崎監督は「大変な文化財を破壊するのに、準備も計画もずさんだと(指摘した)非常に的を射た判決だと思う。裁判官の勇気に敬意を表します」と話した。
 宮崎監督は「公共工事で劇的に変わるという幻想や錯覚を振りまくのはもうやめた方がいい。オリンピックをやればなんとかなるなどと、問題を単純化してはいけない」と批判。「不便だから町に愛着がわくものだ。日本全体が落ち着いた住みやすい場所になるように考えなければならない」と訴えた。
 広島県の控訴の可能性については「言う立場にないが、税金の無駄遣いになるから控訴しない方がいい」と述べた。

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2009年10月1日のニュース