目黒祐樹の一人娘・近衛はな 父親と共演

[ 2009年7月28日 06:00 ]

松竹京都撮影所での撮影の合間に2ショットで取材に応じた目黒祐樹と近衛はな

 俳優の目黒祐樹(61)と女優の江夏夕子(62)の一人娘で、NHKドラマ「白洲次郎」で脚本家デビューを果たした近衛はな(29)が映画「獄(ひとや)に咲く花」(監督石原興)で今度は女優としてヒロイン役を射止めた。作品では父との共演も実現。「やっぱり落ち着かない」とそわそわの目黒に対し「あえて意識しないで臨んでます」と度胸も満点だ。

 芸名の「近衛」は戦前から70年代まで時代劇スターとして活躍した祖父・近衛十四郎さん(77年に63歳で死去)からもらった由緒ある名。芸能一家に生まれ育った彼女が、脚本家として脚光を浴びる一方で、女優としても大輪の“はな”を咲かせようとしている。
 直木賞作家、古川薫氏(84)の「野山獄相聞抄」が原作。幕末の志士、吉田松陰の淡い恋心が描かれる。野山獄に投獄された松陰に影響を与えたといわれる高須久子(劇中では久)が役どころ。独立系作品や端役での出演経験はあるが、今回は主役に起用された。
 山口県の萩市で6月にクランクインし、現在は太秦の松竹京都撮影所で撮影が進んでいる。脚本執筆とともに女優業にも本腰を入れたい意向の近衛は「当時としては進歩的と言われた久子さん。子供っぽいところもあったり、いろいろな面を持っていた女性というイメージがありますが、あまり予備知識を持たずに白紙の状態で入りました」と笑顔で語った。
 京都撮影所は祖父はもちろん、両親も親しんだ場所。「祖父や父のことを知っているスタッフさんもいて、本当にお世話になっています」と感謝の言葉が口をついた。
 そんな愛娘にエールを送るのが目黒。野山獄の責任者の役で初共演。「芯の強い子。親子3代、何か縁を感じますね。絡みの場面もありますが、やはり落ち着かないものです」と本音を口にしつつ目を細めた。松陰の命日にあたる10月27日に萩などで先行上映され、来春の全国公開を予定。製作サイドは海外公開も視野に入れている。

 ▼近衛(このえ)はな 本名目黒裕佳子(ゆかこ)。1980年(昭55)3月21日、東京都生まれ。青山学院大学国際政治経済学部在学中にフランスに留学。外務省によるロシア研修派遣なども経験。08年「明日への遺言」に出演。趣味は絵画、剣道(初段)など。

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2009年7月28日のニュース