500億円規模…吉本興業が自社買収検討

[ 2009年7月28日 18:01 ]

 吉本興業が経営陣による自社買収(MBO)を実施し、株式を非上場化する方向で検討していることが28日、明らかになった。民放各社にも協力を求め、発行済み全株式取得のための株式公開買い付け(TOB)を実施する計画。買い付け総額は500億円規模となる見通しだ。

 資金は金融機関が融資し、民放各社が参加するファンドが買い付けを行う方向で調整している。ただ資金調達や利害関係者との調整は難航する可能性がありそうだ。
 吉本興業は、お笑い中心にタレントのマネジメントなどを手掛けてきたが、映画製作や新劇場の相次ぐオープン、スポーツ分野への進出など、事業領域を急速に拡大させている。MBOで経営の自由度を高めることで、新規事業への投資などを実施しやすくする狙いがある。
 関係者によると、TOBで全株取得することで、吉本は確執が表面化している創業家との関係についても清算し、企業のイメージ向上を図る意向もありそうだ。

 ◆吉本興業 芸人などタレントのマネジメントを中心に、映画やテレビなどの製作、劇場や芸人養成学校も手掛ける「お笑い」企業。1912年に吉本吉兵衛・せい夫妻が寄席経営に乗り出し、翌13年に「吉本興行部」を設立したのが始まり。資本金約48億円、2009年3月末のグループ従業員数は610人で、所属タレントは約800人。09年3月期の連結売上高は488億円、純利益は6億円。

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2009年7月28日のニュース