「おくりびと」が外国語映画賞 日本映画2冠は54年ぶり

[ 2009年2月23日 11:01 ]

外国語映画賞受賞を喜ぶ「おくりびと」の(左から)滝田監督、本木、余、広末

 映画界最大の祭典、第81回米アカデミー賞の発表・授賞式が22日(日本時間23日)、ロサンゼルスで開かれ、滝田洋二郎監督(53)の「おくりびと」が外国語映画賞に輝いた。

 短編アニメ賞に加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が日本作品で初めて選ばれた。日本映画の2冠獲得は1955年に「地獄門」が名誉賞(外国語映画賞)と衣装賞を受賞して以来、54年ぶり2度目。
 外国語映画部門受賞は1956年の稲垣浩監督「宮本武蔵」以来4度目で、日本人監督作品では76年の黒沢明監督の旧ソ連作品「デルス・ウザーラ」以来となる。
 滝田監督は授賞式で「この映画で助けてくれた皆さんに感謝します」とあいさつした。加藤監督は「とても大きな賞を受け取ることができうれしく思っています」と談話を発表した。
 「おくりびと」は山形県を舞台に、遺体をひつぎに納める「納棺師」の姿を描いた感動作。ヒューマニズムにあふれ、生と死の尊厳を際立たせた演出が評価されての受賞となった。
 「おくりびと」は、日本では昨年9月に公開し、興行収入が30億円を超える大ヒット中。本木雅弘主演で広末涼子、山崎努らも出演した。カナダ・モントリオール世界映画祭で最高賞に輝いたほか、国内映画賞を多数獲得するなど高く評価された。
 滝田監督は1955年富山県生まれ。「病院へ行こう」「壬生義士伝」などコメディーから時代劇まで幅広い作品を手掛けるヒットメーカー。
(共同)

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2009年2月23日のニュース