夕張映画祭に救世主!スカパー名乗り

[ 2008年2月22日 06:00 ]

 北海道夕張市が財政破たんした影響で昨年は中止に追い込まれ、2年ぶりに復活する「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」(3月19~23日)の存続に向け、スカパー!が秘策を打ち出した。今年の同映画祭の出品作品を、開催期間中に放送。視聴料金(1件1050円、e2byスカパー!は735円)の総額の半分を、来年の運営費用として主催者側に寄付する。

 同映画祭は90年から毎年開催されてきたが、昨年は中止。今年は映画祭の継続を願う市民が中心となり、NPO法人「ゆうばりファンタ」を設立するなどして復活を遂げた。従来は1億円だった予算は、協賛金など4000万円に縮小され、寄付や協力による“手作り”となる。
 スカパー!は特別協賛で参加。全国の映画ファンが夕張まで訪れなくても参加できるように、出品作を映画祭期間中に放送することを提案。主催者側も「まだ知られていない監督やクリエーターの作品を世に送り出すことがこの映画祭の使命」としているだけに快諾した。
 若手監督の登竜門である「オフシアター・コンペティション部門」の出品作14本と、ドキュメンタリーなどの「フォーラムシアター部門」出品作21本のうち、製作サイドの都合でフォーラムシアター部門出品の「俺の流刑地」を除く、計34本を放送。阿藤快(61)の初主演作「一万年、後・・・・。」や、宮崎あおい(22)らが出演する「ハブと拳骨」など注目作品もある。映画祭で上映する作品を、同時期にテレビ放送するのは国内初の試みだ。
 視聴料金は1件1050円。110度CS放送「e2byスカパー!」では、その中からえりすぐった25作品を同時期に放送し、735円で提供する。スカパー!は「映画ファンが全国にいながら夕張を応援することができ、来年につなげられる。最低でも総額100万円以上は寄付したい」と話している。
 ゆうばりファンタの代表理事で映画祭事務局長の澤田直矢氏(40)は、スカパー!の申し出について「映画祭を応援しようという気持ちがとてもありがたい。1度だけでなく、次回につなげられるのはうれしい」と喜んでいる。

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2008年2月22日のニュース